新幹線鉄道事業

進化を続ける東海道新幹線

東海道新幹線の概要

東海道新幹線は、日本の三大都市圏である東京~名古屋~大阪を結ぶ大動脈として、1964年の開業以来、半世紀以上にわたって約62億人のお客さまにご利用いただき、日本経済の成長を支えてきました。
列車の運転本数は、開業時の毎時片道2本・1日平均60本から、1時間あたり片道最大15本・1日平均368本(2017年度。臨時列車を含む)となり、所要時間についても東京~新大阪間の最速達列車で、開業時の4時間から2時間22分へと短縮し、輸送サービスでの大きな成長を遂げています。

ダイヤ改正と速度向上に向けた取組み

こうした輸送サービスの一層の充実を図るため、より利便性の高い輸送体系を提供する機会が「ダイヤ改正」です。これまでの改正を振り返ると、2003年10月のダイヤ改正では、全列車最高速度270km/h化と品川駅の開業により抜本的なダイヤ改正を実施しました。これにより、「のぞみ」を1時間あたり片道最大7本運行する列車体系とし、高速性、利便性といった新幹線の輸送サービスは格段に向上しました。その後も、「N700系デビュー(2007年7月)」「品川駅・新横浜駅への全列車停車化(2008年3月)」「全定期のぞみをN700系化(2012年3月)」「新大阪駅ホーム新設によるのぞみ10本ダイヤ(2014年3月)」など、新幹線のポテンシャルを高めてお客さまのニーズに応えるべく、サービスレベルに磨きをかけてきました。
2015年3月のダイヤ改正では、一部の列車で最高速度285km/hでの営業運転を開始し、東京~新大阪間の所要時間を3分短縮させました。これにより、利便性を向上させるとともに、列車遅延が発生した場合、これまでより遅れを速やかに回復させる効果が期待できるようになりました。

到達時間の推移(東京〜新大阪間)

エクスプレス予約

営業面では、ネットで指定席の予約や変更ができる「エクスプレス予約」について、2008年3月よりICを活用した「EX-ICサービス」を導入しました。「EX-ICサービス」により、きっぷを駅の自動券売機などで受け取る必要がなく、携帯電話やパソコンなどで予約し、「EX-ICカード」を新幹線自動改札機にタッチすることで東海道・山陽新幹線への乗車が可能となりました。
また、2017年9月30日から開始した「スマートEX」は、スマートフォンやパソコンから普段お使いのクレジットカードや交通系ICカードを登録することで即座にサービスが利用でき、登録いただいた交通系ICカードでチケットレス乗車ができるサービスです。
JR東海では、今後もさらに飛躍していくために、さまざまな施策を効果的に組み合わせ、長期的な視点に立って、着実に輸送サービス向上の努力を続けていきます。

車両開発の歴史

JR東海の会社発足当時、国鉄から継承した新幹線車両の最高速度は、100系であれば220km/hでした。東海道新幹線はビジネス利用が中心で、時間を重視するお客さまが多いため、移動時間の短縮は、JR東海にとって重要な課題です。そこで推し進めてきたのが、列車の速度向上です。東京~新大阪間の2時間30分走行を実現するため、最高速度270km/hの300系車両を開発しました。さらに、車両性能の向上ばかりでなく、お客さまの快適性(乗り心地、車内静粛性、車内サービス)や環境への適合性(省エネルギー化、車外騒音の低減)にも配慮した700系車両を開発し、次々に投入してきました。そして、2007年7月から700系に続く車両としてN700系車両が営業運転を開始しました。この車両は、最高速度を東海道区間270km/h、山陽区間300km/hとし、日本の新幹線としてはじめて車体傾斜システムを採用し、曲線区間における速度向上を実現しました。また、N700系は速度向上ばかりでなく、快適性やさらなる環境への適合性についても、700系に比べて大きくグレードアップさせた車両です。

東海道新幹線の車種編成数の推移

N700AからN700Sへ

2013年2月には、N700系以降の技術開発成果を採用した「N700A」の投入を開始しました。この車両では、中央締結ブレーキディスクによる高い制動力を実現したほか、台車振動検知システムにより全台車の状態を常時監視することで、故障を軽微な段階で早期発見することが可能となりました。さらに、定速走行装置により速度信号に沿った走行制御を実現することで、ダイヤが乱れた際の速やかな回復が可能となりました。これらの新技術により、さらなる安全・安定輸送を実現しました。

N700S確認試験車
N700Sロゴ

また、2013年4月より東海道新幹線の安全性・安定性をより一層向上させるため、既存のN700系全80編成に対し、N700Aに採用されている機能の一部を付加する改造工事を浜松工場にて実施し、2015年8月に全80編成の改造工事を完了しました。さらにN700Aの追加投入を進めることで、2019年度末には700系の置き換えが完了し、すべての車両が快適性、環境性能に優れたN700Aタイプとなり、最高速度が285km/hに統一されます。また、サービス向上の一環として、2018年7月からは順次、車内の無料Wi-Fi「Shinkansen Free Wi-Fi」をご利用いただける車両の整備を開始し、2019年度末までには東海道・山陽・九州新幹線の全列車でご利用いただける予定です。

さらに、2020年7月には、N700系以来のフルモデルチェンジとなる次期車両「N700S」の営業運転の開始を予定しております。「N700S」では、徹底的な小型・軽量化によって床下機器配置を最適化し、基本設計のままさまざまな編成長(12両、8両等)に対応可能な“標準車両”を実現します。また、より一層の環境性能、快適性・利便性の向上を図りつつ、さらなる安全・安定輸送を実現させる新しい技術を採用する予定です。今後も、次代を先駆し続けるために、さらなる進化を追求します。