総合職事務系統
中村 真莉子
JR東海では、安全性・正確性において世界に比類のない実績を持つ東海道新幹線システムを米国テキサス州に、また当社が500km/hという高速で営業運転が可能な技術にまで完成させた超電導リニアシステム(SCMAGLEV=Superconducting MAGLEV)を米国北東回廊に展開する取組みを継続しています。
テキサスプロジェクトは、ダラス~ヒューストン間の約380kmを東海道新幹線型高速鉄道で結ぼうというものです。JR東海は、2016年5月に同州ダラス市に子会社「High-Speed-Railway Technology Consulting Corporation(HTeC)」を設立し、プロジェクトの事業開発主体に対して技術支援を実施しています。また、2018年8月には同市に別の子会社「High-Speed-Railway Integration Corporation(HInC)」を設立し、他の日本のメーカー各社と協力しながら、コアシステム受注契約に向けた準備活動を進めています。2020年11月には、米国連邦政府が環境影響評価の最終決定及び、プロジェクトに特化した安全基準を定めた特例連邦規則を公布しています。
ワシントンD.C.~ニューヨーク間を結ぶ北東回廊については、SCMAGLEVの導入を目指し、まずは第一段階としてワシントンD.C.~ボルチモア間が日米両政府の協力プロジェクトとして推進されるよう、プロモーション活動を実施しています。これまで、米国連邦運輸長官やメリーランド州知事、駐日米国大使などの要人に山梨リニア実験線において実際に超電導リニアに乗車いただいており、いずれも高い評価をいただくなど、米国側の認知度も向上してきています。
JR東海は、台湾高速鉄道を運行する台灣高速鐵路股份有限公司(台湾高鐵)から技術支援の要請を受け、2014年より技術コンサルティングを実施しています。また、台湾高鐵では当社のN700Sをベースとした新型車両の導入を決定しており、この新型車両導入に関する技術コンサルティングも2023年より開始しています。このように、当社が東海道新幹線で培った技術や知見に基づき、台湾高鐵が抱える技術的課題に関してコンサルティングを行うことで、今や台湾にとって重要なインフラに成長した台湾高速鉄道の安全・安定輸送に貢献しています。
JR東海は一般社団法人国際高速鉄道協会(IHRA)を通じて、「Crash Avoidance(衝突回避)」の原則に基づく日本型高速鉄道システムを国際的な標準とする取組みを推進しています。