私の創造

つねに疑問を持ち、改善を続けることで、日々の安全を維持していく。

プロフェッショナル職(大学卒)(車両・機械)
杉﨑 隆一

仕事

予算計画を通じて東海道新幹線の機械設備の性能を維持発展させる。

世の中の“当たり前”を実現するために。

朝、テレビのニュースに映し出される「東海道新幹線は定時通り運行しています」という報せ。私は、毎日のように繰り返されるこの様子を目にしながら、いつもJR東海の一員であることに誇りを感じています。さらに、人々の日常や社会にとって“当たり前”であることを裏方として支えるよろこびを大切にしています。そして、このような仕事観を共有できる人と、一緒に仕事をしたいと考えています。
以前、私は新横浜駅のホーム可動柵の取り替え工事を担当しました。現在、のぞみ停車駅を対象に順次設置を進めている可動柵ですが、当時、東海道新幹線ではじめて導入することになりました。仕様の検討から、ホームを使いながら可動柵を取り替えるという難工事の施工方法の検討まで全面的に携わることができ、完成した時は大きな達成感が得られました。
その可動柵も、今や当たり前のように使われ、お客さまもその存在を特に意識することはありません。そこに私は鉄道輸送を支えるものとしての仕事のやりがいを感じるのです。

 

細かな改良、改善の積み重ねが安全を築く。

現在私が担当しているのは、東海道新幹線のあらゆる機械設備における工事の設備投資予算の計画管理業務です。例えば皆さんは東海道新幹線の駅でシースルー型のエレベーターが増えていることにお気づきかもしれませんが、そうした機械設備工事の予算や計画を管理することが私の業務です。
機械設備工事の多くは、老朽化に伴う取り替えです。取り替えても違和感なくお客さまが使えること、また、施工性にも配慮してなるべく同様の仕様、能力を持った設備に取り替えることが基本です。ここにも、「当たり前に存在するものを普通に使っていただきたい」という考えがあります。
むろん、それは単なる現状維持という受け身の考えによるものではありません。現状の設備に問題はないかつねに検討し、細かな改良、改善を重ねています。当たり前の安全とは、そうした不断の検討の積み重ねによって支えられているのは間違いありません。守るべきは守りつつ、改善すべきは改善するというスタンスこそ、鉄道を支える私たちに求められるものです。
こうした経験を活かし、将来は中央新幹線の工事施工におけるルールづくりに取り組みたいと考えています。

 

キャリア

経験を重ねて機械設備への理解を深めてきました。

'08-4月入社、新入社員研修
学生から社会人になり、仕事をしていくということを自分の中で切り替えることができました。合唱コンクールなどのイベントもあり、同じクラスになった同期とは特に仲がよく、今でも深い交流があります。
'08-5月新幹線鉄道事業本部 施設部 設備課
東京駅から熱海駅の機械設備の工事契約等を担当しました。はじめての職場でわからないことが多く、毎日が勉強の日々でしたが、先輩方の指導のもと一生懸命取り組みました。
'10-7月ジェイアール東海コンサルタンツ(株)設備事業部 東京設備部 機械技術課(出向)
前の職場が工事等の発注側であったのに対し、今度は受注側に出向しました。一番印象に残っている工事は、ホーム喫煙室新設工事です。法令の関係を踏まえ、実際にモックアップをつくって煙の流れを確かめました。
'12-7月新幹線鉄道事業本部 施設部 機械課取材当時
東京駅から熱海駅の機械設備の故障対応などを担当しました。今まで知識が不足していた機械設備の構造等に対して非常に知識を深めることができ、いつも通り機械が動いていることの大切さを痛感しました。また2014年7月からは、機械設備工事全体の予算や計画を管理する業務を担当しました。工事担当者や故障対応時の経験を活かして、施工性や保守性への配慮、改良改善できる点がないかを確認しながら工事を計画しました。また、新人が多く配属される職場だったので、以前の自分を振り返りながら教育することも心がけました。
'15-7月ジェイアール東海コンサルタンツ(株)設備事業部 名古屋設備部 機械技術課(出向)
豊橋駅から米原駅の機械設備の工事の施工監理等を担当しました。米原駅の改札装置の取替工事を担当し、朝一番にお客様が改札を通過したときは達成感を感じました。
また、1年後に機械管理部へ異動し、社員管理や規程類の整備などを担当しました。実務経験を生かして設計に必要なソフトの導入等を行い、働きやすい環境の構築に努めました。
'18-7月東海鉄道事業本部 施設部 機械課
お客様の安全やサービス向上に向けた新たな施策の提案や社員教育の企画・運営を担当しました。施策の提案では、駅に設置しているエレベータの中にお客様が閉じ込められた際に体調不良を防止することを目的に飲料水等を搭載したキャビネットを設置しました。また、手戻りの少ない仕事の進め方など、自分の経験から得たことを後輩へ教えることに注力しました。
'21-7月新幹線鉄道事業本部 浜松工場 設備科
新幹線車両のオーバーホール工場にて、部品メンテナンスをする機械設備の故障対応などを担当しました。検査工程を遅延させないために、早期に故障の原因を特定し、復旧させることに取り組みました。また、同じような故障を発生させないためにどうしたらいいかを上司や後輩、メーカー担当者と徹底的に議論し、再発防止対策を検討しました。
'23-7月新幹線鉄道事業本部 車両部 管理課
新幹線車両をメンテナンスする機械設備の新規開発などを担当しています。今までの経験・技術を総動員して、より作業者に安全で高品質かつ効率的(省力的)な車両メンテナンスに貢献できる機械設備を導入できるように日々知恵を絞っています。

これからめざすもの

中央新幹線に関する業務に携わり、作業員が安全に工事に取り組めるルールづくりに挑戦したいと思います。

プライベート

  • フットサルで汗を流しています
    週末は、会社の人たちとフットサルをしています。私は中学でサッカーをしていたので、毎回いい汗をかいています。終わってからみんなで飲むビールも最高です。
  • 東北に旅行しました
    旅行が好きで、毎年、国内旅行を楽しんでいます。先日は後輩と4人で東北に2泊3日で旅行しました。八戸まで電車で行き、仙台まで車で南下するという行程で、東北ならではの豊かな自然を満喫しました。
杉﨑 隆一

Profile

杉﨑 隆一

プロフェッショナル職(大学卒)(車両・機械)
新幹線鉄道事業本部 施設部 機械課 ※取材当時
2008年入社
工学部機械工学科卒