私の創造

あらゆる事態に対応し、お客さまの安全を最優先に常に最善の判断を下す。

プロフェッショナル職(大学卒)(運輸)
片山 大地

仕事

東海道新幹線の安全・安定な運行を管理する。

わずか1分のためにも全力を尽くす。

現在私は、東海道新幹線の安全・安定輸送を司る輸送指令(列車担当)として勤務しています。1日約45万人のお客さまが利用される東海道新幹線の車内や駅では、日々、さまざまな事象が起きています。それらにどのように対処すべきかを瞬時に判断し、運転士や駅係員に的確な指示を送る、いわば列車運行の司令塔のような役割を担っています。
例えば台風や地震といった自然災害が発生した際は、列車を緊急に停止させたり駅間に停まった列車の救済手配を行ったりと、常にお客さまの安全を最優先に、最善の判断を下していきます。また、運転再開後は少しでも列車の遅れを短縮させるために番線の変更などの手配を行います。この手配によって短縮できる遅れは1分や2分程度ということも珍しくないのですが、そのわずかな短縮のために私たちは全力で手配を行います。わずか数分かもしれませんが、それは東海道新幹線にご乗車中のすべてのお客さまの大切な時間なのですから。
私たち輸送指令がお客さまと直に接することはありませんし、遅れを回復したところでお礼を言われるわけではありません。お客さまにとっては、東海道新幹線は寸分の遅れもなく運行されていて当たり前の存在。しかし、異常時の状態においてその当たり前を取り戻すために運転士や駅係員に指示を出せるのは私たちだけです。その責任の重みこそ、私にとってのプライドでもあります。

 

鉄道の本質はチームプレーだと信じて。

台風や地震などの自然災害がまったく同じ状況で起きることはありません。すべて異なります。同様に私たちが下せる判断も一つではなく、いくつもの選択肢の中から最適なものを選ばなくてはなりません。私たちはどんな状況においても常に正しい判断を下せるよう、日頃から知識と技量を磨いておかなくてはならないのです。あわせて先輩方が引き継いできた経験も自分の引き出しとすべく、吸収することが大切です。そのために日頃から上司や先輩とはコミュニケーションを密にし、さまざまな経験を共有するように心がけています。
また、私はこれまで駅係員、車掌、運転士と、安全・安定輸送を支える最前線で働いてきましたが、その経験も現在の業務に大変役立っています。台風などの異常時に現場の状況がどうなっているのか、運転士や駅員がどんな心理状態にあるのか、自分の経験に照らし合わせて想像ができ、相手にとって理解しやすい指示の出し方を心がけることができるからです。
私は、常にチームワークを大切にする社風に惹かれてJR東海を志望しました。安全・安定輸送という使命のもとで一つになったチームに指示を出し、導いていく立場として、改めてチームワークの大切さを実感しています。こうして得た経験や知見、想いを後輩たちに受け継いでいくためにも、将来は人材育成の業務にも挑戦したいと考えています。

 

キャリア

安全・安定輸送の最前線で経験を積みました。

'08-4月入社、新入社員研修
学生時代にはあまり電車に乗る機会もなく、鉄道事業に関する知識がほぼゼロで入社しました。そのため研修についていけるだろうかという不安は大きかったですが、同期の仲間に支えられて乗り越えることができました。合唱コンクールや箱根の山を踏破するイベントなどで、同期との深い絆も生まれました。
'08-6月品川駅
人とふれあうことが好きなので、切符の販売や改札の仕事はやりがいを持って臨むことができました。改札はお客さまのご旅行のスタートとゴールです。思い出に残る素敵な旅になるよう、笑顔でお見送り・お出迎えすることを心がけました
'10-10月大阪第二運輸所(新幹線車掌)
東海道新幹線の車掌としてドア扱いや列車監視等の安全・安定輸送を担うとともに、車内ではお客さまの目線に合わせたサービスを心がけました。
'13-4月東京第二運輸所(新幹線運転士)
東海道新幹線の運転士業務に従事しました。約1,300名ものお客さまの命をお預かりしていることに重い責任を感じながら、乗務していました。初めてノッチ(アクセル)を入れて列車が走り出したときの感動は今でも忘れません。
'16-4月新幹線鉄道事業本部 運輸営業部 輸送課(輸送旅客指令)
東海道新幹線の車内で発生するさまざまな事象に対応し、お客さまを無事に目的地までお運びするための方策をとることに従事しました。時には他社と連携してお客さまをお届けできたときの達成感は、非常に大きいものでした。
'18-3月新入社員インストラクター
私が10年前に受けた新入社員研修に、今度は教える立場として挑みました。新入社員と寝食をともにする中で、日々確実に成長していく姿を目の当たりにし、自分の子供の成長のように深く感動したのを覚えています。“教え子”たちとの絆は私の宝です。
'18-6月新幹線鉄道事業本部 運輸営業部 輸送課(輸送列車指令)取材当時
 
'20-7月新幹線鉄道事業本部 運輸営業部 輸送課(企画・貴賓輸送)
イベント開催のためドクターイエローや新型車両N700Sの運転を計画したり、新型車両を更に進化させ、次世代の車両開発につながる走行試験のため、多くの関係者と綿密に調整して、試験日程やダイヤを計画しています。また、貴賓輸送の計画、課内の総合調整業務を担当しています。
'22-7月東京第一運輸所(運用計画)
新幹線車掌や運転士が乗務する列車の組合せを計画し、日々のスケジュール表(通称:行路票)を作成しています。また、後輩たちのフォロー担当役を担っており、仕事やプライベートの悩みなどを気軽に相談できるような関係作りを心掛けて仕事をしています。

これからめざすもの

在来線・東海道新幹線・中央新幹線と3世代の鉄道を支えていくための人材育成に挑戦したいと考えています。

プライベート

  • 家族との時間が宝物
    家族との時間を何よりも大切にしており、数カ月に一度は家族旅行に行くことを目標にしています。写真は北海道を旅行した際、子供たちと遊んだときのものです。先日は私が魚を釣りあげる姿を見せようと釣りに出かけたのですが、妻ばかり釣れて私は釣果ゼロでした。
  • 野球もチームワークが大切です
    小学校1年生の頃からずっと野球をしています。ポジションはキャッチャー。社内の野球大会にも出場しています。1人では絶対にできないのが野球というスポーツの魅力で、チームワークが何よりも重要だという点は鉄道の仕事にも通じるところがあります。
片山 大地

Profile

片山 大地

プロフェッショナル職(大学卒)(運輸)
新幹線鉄道事業本部 運輸営業部 輸送課(輸送列車指令) ※取材当時
2008年入社
外国語学部中国語学科卒