車両・機械系統

最新のテクノロジーでお客さまに安全と快適な移動空間を提供する。

車両・機械系統は、鉄道車両の開発、設計、メンテナンスなどを行う車両部門と、駅の機械設備や車両メンテナンス機械の開発、設計、管理などを行う機械部門の大きく2つに分かれており、幅広い業務があります。また、鉄道輸送のさらなる安全性、安定性、快適性の向上をめざして、さまざまな技術開発を行っています。
中央新幹線計画に関しては、超電導リニア車両の開発、設計、走行試験のほか、地上コイルや乗降装置といった駅・沿線の機械設備、メンテナンス設備の開発、設計、管理などを行っています。
いずれも鉄道輸送の安全性、安定性、快適性を支える上で欠かせない、最先端の技術を追求する非常にやりがいのある業務です。

働くフィールド

  • 鉄道車両(新幹線)

    東海道新幹線は日本の大動脈輸送を担っており、安全かつ正確な点はもとより、高速、高頻度・大量、環境適合、快適等特性に磨きをかけてきました。その新幹線車両のメンテナンス、改造等に加えて、新型車両の開発、設計を行っています。最新型の車両であるN700SはN700系以来のフルモデルチェンジとなり、285km/h(山陽区間は300km/h)を維持しながら、より一層の安全性・安定性と省エネルギー化を追求した新しい技術を採用しています。また、高速鉄道では初めて停電時でもバッテリーを使用して走行可能なシステムを搭載することで異常時対応力を強化するなど、さらなる進化を図っています。
    1964年の開業以来「乗車中のお客さまが死傷される列車事故ゼロ」という安全性と、日々の運行実績からも示されるその安定性は、高いメンテナンス技術に加え、車両の機器データを活用した新しいメンテナンス手法の導入などによるものです。

  • 鉄道車両(在来線)

    在来線は、東海道新幹線のフィーダー輸送および名古屋、静岡地区の地域輸送を担っており、そこで運行される車両のメンテナンス、改造等に加えて、新型車両の開発、設計を行っています。2022年度からは、特急「ひだ」「南紀」に使用している85系気動車の取替えとして、ハイブリッド方式を採用した新型特急車両HC85系の営業運転を開始しました。HC85系では、ハイブリッド方式の鉄道車両では国内初の最高速度120km/hでの営業運転を実現します。また、更新期を迎える通勤型電車の取替えとして、新形式の通勤型車両315系の営業運転を開始しています。これら新型車両では、安全性をより高めるために新たに車両・地上間のデータ通信装置を導入することにより、車両状態のデータを車両基地等に送信し、メンテナンスに活用することで異常の発生を抑制します。

  • 機械

    鉄道の営業・運転に欠くことのできない、自動券売機や自動改札機などの出改札機器やホーム可動柵といった駅設備、エスカレータやエレベータに代表されるバリアフリー設備、車両のメンテナンス設備など、幅広い機器の開発、設計、管理、メンテナンス業務を行っています。これらの設備は、鉄道の安全、安定輸送や旅客サービスの面でも重要な役割を担っている必要不可欠な設備であり、最近では、ICカードサービスやホーム可動柵も積極的に展開するなど、さまざまなシステム展開や新規設備開発を行っています。また、各機械設備をネットワークで繋ぎ、設備の稼働状況や故障状況を遠隔でリアルタイムに把握できる機械状態監視システムを導入し、故障発生時の原因究明・復旧の迅速化やメンテナンスの省力化など、高品質で効率的なメンテナンスの構築にも取り組んでいます。

  • 超電導リニア(車両)

    中央新幹線に投入する超電導リニア車両の開発・設計を行っています。現在、山梨リニア実験線において、長期耐久性やコスト低減などの検証のための走行試験を重ねており、走行試験の運営、測定、データ解析業務のほか、車両のメンテナンスなども行っています。また、走行試験の結果を開発、設計にフィードバックすることにより、より良い車両の実現をめざしています。中央新幹線の営業運転開始に向け、引き続き、快適性の向上、保守の効率化等、さらなるリニア技術のブラッシュアップに取り組むとともに、改良型試験車の走行試験を実施して営業線車両の仕様策定を進めています。

  • 超電導リニア(機械)

    超電導リニアに用いられているリニアモーターや浮上・案内機構は、車両側の磁石と地上側のコイルで構成されていますが、この地上側コイルの開発、設計、設置、メンテナンスを行っています。また、乗降装置や分岐装置、車両メンテナンス設備の技術開発、設計、設置、メンテナンスも行っており、飛躍的に拡大しているフィールドです。 今後は、中央新幹線の営業運転開始に向け、引き続き営業線建設工事を計画的に進めるとともに、将来の鉄道運営や、メンテナンスの確立に向けて取り組んでいきます。

  • 技術開発

    愛知県小牧市の自社研究施設にて、鉄道事業者でなければ実施が困難な技術開発を行っており、その成果は新型の車両や設備の設計に活かされています。研究施設では、大型試験装置を活用した試験や走行試験などのデータ解析を通じて、実際に起こっている現象を正確に把握した上で、さらなる安全・安定輸送や、より高いレベルでのサービスの提供、メンテナンスの省力化などの実現に向けた技術開発テーマに取り組んでいます。

採用区分とキャリアイメージ

総合職
「車両・機械」系統のさまざまな業務を経験した上で、その知識・技術を活かしたマネジメント業務での活躍を期待しています。鉄道⾞両の開発、設計、メンテナンスなどを⾏う⾞両部⾨と、駅の機械設備や⾞両メンテナンス設備の開発、設計、管理などを⾏う機械部⾨の他、技術開発や投資計画策定をはじめとした経営企画、営業、総務、人事、広報、安全対策といった幅広い業務に従事し、マネジメント能力を高めていきます。
プロフェッショナル職
「車両・機械」系統の技術を支えるスペシャリストとして、高い専門性を発揮した活躍を期待します。車両部門においては、新幹線、在来線、超電導リニア車両のメンテナンスや走行試験業務などにより専門技術を習得し、将来的には現業機関の中心的存在になることに加え、能力・適性に応じて設計開発などを担当する部署において活躍することを期待しています。機械部門においては、各種機械設備に加え、超電導リニアにおける地上コイルやメンテナンス設備などの設計、施工、メンテナンス業務に従事し、専門性を高めていきます。