私の創造
前例のないシステムの
開発を通じて
リニア中央新幹線の
安全な運行を支える。
- プロフェッショナル職(大学卒)
- 電気・システム系統
天野
仕事
JR東海でしか携われない業務に
やりがいの大きさと
使命の重さを実感する。
“万が一”も許されない、パーフェクトなシステムを目指す。
現在私が携わっているのは、リニア中央新幹線の列車を安全に制御するシステムのさらなるブラッシュアップです。お客さまを安全に、かつ、いつでも定刻に乗車いただけるようにすることはもちろん、運行や保守に携わる社員の安全も確保するため、あらゆる場合を想定してシステムの挙動を決定していきます。そのため他系統の社員と打ち合わせを重ねつつ、システムを製作するメーカーとは仕様を詰め、最終的な挙動を確認後、機能検証を進めていき、山梨実験線で試験を重ねます。リニア中央新幹線にとって不可欠のシステムに携わっているという点が、この業務の最大のやりがいでしょう。
それは一方で、前例のないまだ見ぬシステムの影響を想定しなければならないという難しさにも通じます。システムによってはトライ&エラーを繰り返して完成度を高めていく開発方法もあるかと思いますが、列車を安全に制御するシステムにそれは許されません。絶対にエラーが起きない仕様にするためにあらゆる視点から現状を把握し、リリースの時点で完璧なシステムであることを目指しています。そのために社内外のあらゆる方々に協力を仰ぎながら課題解決策を模索していくという姿勢を忘れてはなりません。また、最新のICTを活用したシステムの検討も進めており、より良いシステムとなるよう検討も進めていますが、列車を安全に制御するシステムに関しては石橋を叩くような慎重さで検討する姿勢にもこだわっています。
リニアの影響力の大きさが誇りに。
静岡出身の私がJR東海を志望したのは、地元に関わる仕事がしたいという気持ちがきっかけでした。鉄道というインフラに携わることで地元の暮らしを支えつつ、自分自身も安定した生活を実現できると考え、入社を決めました。
これまでリニア中央新幹線に関わって10年以上になりますが、「リニア」というキーワードの影響力は年々大きくなる一方です。試験車両が走行試験を繰り返している実験線では定期的に体験乗車という形でお客さまに500km/h走行を体験していただくイベントを行っており、目を輝かせて記念写真を撮るお客さまの姿に、このプロジェクトの注目度の大きさを感じました。今やリニア中央新幹線は地元という枠を超えて、日本そのものに大きな影響を及ぼす存在です。非常に大きな注目を浴びており、このプロジェクトに携われることを誇らしく感じています。
また、電気やシステムは目に見えず、私たちも直接お客さまと接する機会がまれであることから、電気・システム系統の社員は、縁の下の力持ちのような存在です。しかし、私たちがいなければ安全・安定な列車の運行ができないのも事実です。目立たないけれども列車の運行を支えることで社会の人々の生活に貢献しているという実感は、大切にしたいと思います。
今後も、リニア中央新幹線の制御に関するシステムの開発に携わり、最新のICTを活用することでさらなるブラッシュアップを続けていきたいと考えています。将来、リニア中央新幹線が開業し、乗車した時は「自分の開発したシステムがリニアを支えているんだ」という実感が得られることでしょう。JR東海社員だからこそ描ける夢です。
キャリア
長くリニア中央新幹線のシステムに
携わってきました。
2012
4月
入社、新入社員研修
私は入社するまでは特に鉄道に詳しくなかったので、研修で鉄道の設備・仕組みについて基礎から学べたのはありがたかったです。一緒に学んだ他系統の同期社員とは、現在も様々な業務を通じて関わりがあります。
6月
東海鉄道事業本部 三重支店
四日市電気区
関西線の四日市─亀山における信号通信設備の保全業務や工事設計業務に関わりました。特にお客さまの乗車する列車が走行するすぐ近くで行う保全作業には、常に緊張感を持って取り組みました。先輩方からは鉄道の業務に関する考え方や仕事の取組み方を学びました。
2014
7月
中央新幹線推進本部 リニア開発本部
リニアの技術を開発し、実験線での検証を進める部門において、リニア中央新幹線の列車を安全に制御する仕組みの開発を担当しました。大きなプロジェクトであり、業務に慣れるまでに苦労はありましたが、リニア中央新幹線に携わる担当者として知識をつけることができました。
2018
7月
中央新幹線推進本部 リニア開発本部
山梨実験センター
リニア車両の試験走行、超電導リニアの試験走行を実施している山梨実験センターで、引き続きシステムの開発に携わりました。指令業務や設備の保全も含め、現場での様々な業務を経験しました。
2019
3月
三島研修センター
新入社員研修インストラクター
新入社員研修のインストラクターを務めました。自分自身が新入社員であったころを振り返りつつ、JR東海社員として必要な知識や心構えをしっかりと伝えられるように業務を行いました。貴重な経験であったとともに、人に伝える力を磨くことができました。
7月
中央新幹線推進本部 リニア開発本部
山梨実験センター
再び山梨実験センターで、システムの開発に携わりました。
12月
日本信号株式会社(出向)
メーカーに出向し、システムエンジニアのような業務を担当。新しいシステムの挙動を決定し、プログラマーの方と実現方法をすり合わせるなど、ものづくりを経験しました。私が考案したシステムを実現する上では多大な人材と労力が必要であることを再認識しました。
2021
7月
中央新幹線推進本部 リニア開発本部
山梨実験センター
走行試験や設備の保守をする担当グループをまとめる立場で、再び山梨実験センターに赴任しました。リニアの運転士でもある指令の業務も経験し、業務の視野を広げるとともに、自身が検討した仕組みをユーザー側の目線で感じることができました。
2024
7月
中央新幹線推進本部 リニア開発本部
※取材当時
リニア中央新幹線の開業に向け、運行を制御するシステムのブラッシュアップに取り組んでいます。
これからめざすもの
現在手がけているシステムを、営業運転において無事に稼働させたいということに尽きます。そしてリニア中央新幹線にとどまらず、ほかの用途にも適用できる仕組み・技術をつくり上げていきたいと思います。
プライベート
休日は家族と一緒に
観光を兼ねて、家族と様々な場所を訪れています。山梨に住んでいた時は、毎日富士山を間近に見ることができました。休みのたびに家族で自然を満喫することが楽しみです。
子育てを楽しんでいます
山梨実験センターに勤務していたときに娘が生まれ、「産後パパ育休」を4週間取得しました。子育ては大変でしたが、人生において得がたい経験となりました。今も家族との時間は何よりも大切で、仕事が忙しくても、娘の笑顔を見ると疲れも吹っ飛びます。
Profile
- プロフェッショナル職(大学卒)
- 電気・システム系統
天野
中央新幹線推進本部 リニア開発本部
※取材当時
2012年入社
電子情報システム工学専攻修了
この社員が関わっている事業
超電導リニアによる中央新幹線
将来にわたり使命を全うするために