私の創造

先輩方から教わった技術を受け継ぎさらに発展させていく。

プロフェッショナル職(大学卒)(施設)
三島 健吾

仕事

高い専門性を持ち、人材育成に取り組む。

大切なことは、専門性を磨き続けること。

私は、現在、静岡地区の在来線の軌道を担当しています。主な業務は、軌道の状態や検査の実施状況を把握することと、現場に対する軌道の補修に関する技術的なアドバイスをすることです。
鉄道の軌道は、列車が走ることでさまざまな影響を受け、ゆがみが生じてきます。その結果、車両の揺れにつながり、お客さまに不快感を与えてしまうことにもなりかねません。そのため、軌道状態を把握することは非常に重要なことです。 また、線路には、踏切や分岐器などの設備や曲線が存在し、さまざまな条件の軌道があります。そのため場所によっては軌道の補修作業も容易ではありません。現場からの補修作業に関するさまざまな相談について、技術的なアドバイスをしています。
この仕事に必要なこととして、“専門性”が挙げられます。今の仕事でも、これまで仕事を通じて得てきた知見が活きています。例えば私は、関係会社へ出向した際に、総合試験車「ドクター東海」に添乗しました。この業務を通じて、軌道のゆがみなどについて非常に専門的な知識を身に付けることができました。また、レール内部の傷を探傷する業務にも携わったことから、超音波を使った非破壊検査の知識や技術も身に付けることができました。
今後も専門性に磨きをかけ、プロフェッショナル職の社員として、安全で快適に走行できる軌道を提供できる存在になりたいと思っています。

 

いつまでも乗り心地のいい在来線であるために。

若手社員に対する教育も、現在の私の重要な仕事のひとつです。
私自身は現場で先輩の指導を直接受けながら、保線の技術を学んできました。そうした先輩も次第に退職されているため、私たちの世代がそれを後輩に引き継いでいかなくてはなりません。
私はそうした若手社員に対する教育の企画を行うとともに、自分自身も講師として指導にあたっています。指導にあたっては、まず自分が専門家として適切に理解していなくてはならないので、自分にとっても改めて勉強になります。先輩社員から教わったことをベースにしつつ、最新の知見・技術や、自身の経験をもとに内容をアップデートさせ、指導に取り組んでいます。
在来線は地域の方々の日常生活に深く根ざしているので、安全・安定輸送を念頭に、低コストで最適な管理をすることが大切です。若手社員を育成することを通じて、いつまでも乗り心地のいい在来線を支えていきたいと考えています。

 

キャリア

保線の現場で技術を学んできました。

'10-4月入社、新入社員研修
時間やルールを守ることなど、JR東海社員の一員として働く上での基礎を身につけました。与えられたさまざまな課題に対して他系統の同期と一緒に解決方法を考えたことは、いい思い出です。
'10-7月新城工務区 中部天竜保線支区
非常に自然が豊かな場所でした。線路を歩いて状態を確認したり、大雪の時は線路脇の竹を切ったり、列車の安全・安定輸送のために職場全員で力を合わせて取り組みました。一つひとつの作業が初体験で、覚えることがとても楽しかったです。
'11-7月名古屋保線区 稲沢保線支区
軌道の検査業務を担当しました。名古屋駅構内の分岐器を一夜で交換する大規模な工事は、とても印象に残っています。
'12-7月多治見保線区
各支区での検査を取りまとめる担当をしました。ゲリラ豪雨に見舞われた際、職場に先輩と私だけしかおらず、対応に苦労したことを思い出します。翌朝、何ごともなく列車が走っている様子を目にした時は、心底安堵しました。
'13-7月日本機械保線株式会社(出向)
関係会社に出向し、総合試験車(ドクター東海)により、軌道データを収集する業務を経験しました。車内のモニターに線路の状況が刻々と表示される様子には圧倒されました。
'15-7月静岡支社 工務部 施設課取材当時
静岡地区の在来線における保線業務を総括する部署に配属され、現場の検査業務等をサポートしたり、教育を担当しました。専門的な知識を深めることができただけでなく、様々な系統の社員と仕事をする機会も多く、人脈を広げることができました。
'17-7月静岡支社 工務部 管理課
駅のバリアフリー化工事の担当として、補助金の取りまとめや自治体との調整役を務めました。補助金を使用したバリアフリー化工事では、国や自治体との調整事項が多く、対外的な調整や交渉の難しさを実感しました。
'19-7月公益財団法人鉄道総合技術研究所 軌道技術研究部 軌道管理研究室(出向)
鉄道総合技術研究所に出向し、線路の管理手法や施工方法に関する研究を行っていました。また、研究所には様々な鉄道事業者から多くの出向者が在籍しており、自分の視野を広げることができました。
'21-7月静岡保線区 掛川保線支区
現場の最前線で各種軌道検査の結果をもとに工事計画を立てる業務を行っていました。鉄道の工事は様々な系統や関係会社の方々によって成り立っているので、調整事項も多いですが効率的な保守を行えるように努力しました。
'23-7月総合技術本部 技術開発部
研究開発を行う部署に配属され、線路の検査に関する研究開発を行っています。将来を見据え、安全・安定輸送を担保しながら検査業務の効率化及び省力化に寄与するテーマを具現化できるように、日々研究開発に取り組んでいます。

これからめざすもの

新しい線路の管理手法や施工方法などを考えることにも興味があるので、研究開発業務に挑戦したいと思っています。

プライベート

  • 浜名湖一周に挑戦
    最近はサイクリングに夢中で、職場の仲間とイベントに参加したり、ツーリングに出かけたりしています。写真は、1日がかりで浜名湖を1周した時のものです。走り終えた時の達成感は最高で、その後のビールも最高の味でした。
  • 学生時代はスキー部に所属
    大学が長野にあったので、冬はスキー三昧でした。年間100日は滑っていたと思います。最近はなかなか行けませんが、それでも時間を見つけては滑っています。ツーリング同様、風を切って自然と一体感を味わうのが楽しいです。
三島 健吾

Profile

三島 健吾

プロフェッショナル職(施設)
静岡支社 工務部 施設課 ※取材当時
2010年入社
工学系研究科 社会開発工学専攻修了