私の創造

鉄道の未来に若い世代の力で大きな可能性を。

プロフェッショナル職(大学卒)(施設)
飯久保 雄太

仕事

最新の技術を駆使し、在来線の構造物を維持管理する。

在来線はまだまだ進化できる。

多くの先人が100年以上にわたって知恵と経験を積み重ねながら支えてきた在来線。それでいて今なお進化を続けています。山間部などの厳しい環境の中を走ることもあれば、自然災害の影響を受けやすいという現実もあります。だからこそ私たち若い世代がこれから志を高く持って改革していけることが、在来線の魅力です。
私の所属する部署は、静岡地区の在来線の維持管理を統括するオフィス部門であり、その中で私は主に土木構造物に関わる設備投資予算の計画・管理、在来線の土木構造物の維持管理に関わる課題の整理と解決に向けた対策の立案・推進、さらには将来的な防災計画などの企画・立案に携わっています。
在来線の維持管理に関わる課題に対しては、将来の労働人口減少などを見据えた対応策を検討し、中長期的な視点を持ちながら、在来線の将来にわたる効果的な設備投資計画を策定しています。近年は豪雨などの自然災害が激甚化しており、現状で策定されている降雨対策の中長期計画が適正であるかを判断しつつ、計画の見直しにも取り組んでいます。
特に労働人口減少を見据えた新たな維持管理手法の構築は大きな課題であり、除草・集草作業の機械化など、各作業の自動化・効率化に力を入れています。また、歴史ある在来線の維持管理に最新のテクノロジーを組み合わせることは非常に興味深いテーマで、在来線では災害時の被災状況の確認にドローンを活用したり、維持管理において点群データを活用するなどの取り組みを進めています。
今後もICTの活用にも積極的に取り組み、在来線のさらなる進化を後押ししていきたいと考えています。そのためにも視野を広く持ち、スピード感をもって業務に取り組んでいきます。

 

新たな工法でトンネルの維持管理に大きな貢献。

東海道本線の熱海-函南間には全長約8kmの丹那トンネルがあり、私は富士保線区でその維持管理業務に携わっていたことがあります。
丹那トンネルは建設当時から湧水が非常に多く、漏水が懸念される箇所における維持管理には大変苦慮していました。そこで私は業務研究を通じて維持管理における課題を整理し、長期的な視点と効率化を加味した対策案「止水注入」を提案しました。実際に丹那トンネルに採用され、漏水防止に大きな効果を上げるとともに、維持管理の大幅なコストダウンに結びつけることができました。この成果によって、本対策は他のトンネルにおいても水平展開が進んでおり、さらには東海道新幹線のトンネルでも採用されました。この取り組みは日本鉄道施設協会の総合技術講演会で最優秀賞を受賞することとなり、私にとっても大きな自信につながりました。入社5年目でこのような新しい工法の考案に主担当として挑戦できたことは大変嬉しく、在来線のさらなる進化を支えていくのは自分たち若い世代であるという使命感をより一層強く持つきっかけとなりました。
JR東海は、今後、在来線・東海道新幹線・リニア中央新幹線という三世代の鉄道を展開していきます。私は、在来線に軸足を置きつつも、将来的には、在来線や鉄道総研への出向で培った知見と経験を活かし、東海道新幹線の土木構造物の老朽化対策や災害の激甚化対策、ひいてはリニア中央新幹線の維持管理にも取り組みたいと考えています。

 

キャリア

防災の経験と知識を積んできました。

'14-4月入社、新入社員研修
JR東海で働くことのやりがいや、仕事の根幹となる知識・考え方を学ぶことに加えて、鉄道人としての基礎を磨くことができました。同期の仲間とは今でも交流し、切磋琢磨しています。
'14-6月東海鉄道事業本部 木曽福島工務区 木曽福島保線支区
初めての配属先である木曽福島工務区で、軌道管理の仕事を行いました。定期的な検査、工事計画、そして異常時対応など幅広い業務に携わり、軌道管理の基礎的な知識を習得しました。
'15-2月東海鉄道事業本部 木曽福島工務区(土木)
引き続き木曽福島工務区にて土木構造物の維持管理業務を担当しました。冬場は-10°以下になることもある環境で、狭小かつレンガ積み構造のトンネルの効果的な維持管理方法の検討にも取り組みました。
'19-7月静岡支社 富士保線区(土木)
設計・施工管理業務に加え、検査統括などより責任のある業務を任されました。丹那トンネルの漏水対策を自ら提案・推進したことによりコストダウンを実現できたことは、大きな自信につながりました。
'21-3月新入社員研修インストラクター
三島総合研修センターに泊まり込み、新入社員研修のインストラクターを務めました。今でもインストラクター仲間や研修生と定期的に集まることがあります。自分の社会人人生において“教え子”という存在ができたことを、心より嬉しく感じています。
'21-6月静岡支社 富士保線区(土木)
ICTを活用した効果的な施工打ち合わせ方法を提案し、静岡支社の発表会では最優秀賞を受賞し、全社大会への出場を決めました。また、社内の選抜研修を受講し、志の高い仲間に出会うことができました。
'22-7月公益財団法人鉄道総合技術研究所 防災技術研究部 地盤防災研究室(出向)
主に防災分野(斜面・河川)に関わる研究開発や災害コンサルなどに携わりました。自身の技術力が高まったことに加えて、幅広い人脈形成につながりました。この出向は以前から希望していたもので、実際にその機会を与えられたことに感謝しています。
'24-7月静岡支社 施設部施設課(土木計画)取材当時
主に設備投資予算の計画や管理に携わっています。社内のデータ分析講座を受講して、ICT関連の知識を取得し、ICTを活用した課題解決にも取り組んでいます。

これからめざすもの

在来線の業務にやりがいや楽しさを感じています。一方で、これまで在来線で培った土木構造物の維持管理における経験や技術力を軸にして、東海道新幹線やリニア中央新幹線の維持管理にも取り組んでみたいという思いがあります。社会から「JR東海の鉄道は災害に強い」と評価されるよう、ICT等の最新技術に関する視野を広く持ち、より効率的かつ効果的な土木構造物の維持管理手法の構築に貢献していきたいです。

プライベート

  • 自然の中の秘密基地。
    キャンプが好きで、妻や仲間と一緒に楽しんでいます。自然の中で四季を感じながら、おいしいごはんとお酒を堪能することが一番の喜びです。また、自然の中に秘密基地を築く感覚でキャンプギアにもこだわっています。
  • 長期休暇は海外へ。
    学生時代はバックパッカーとしてインド横断などを経験しました。今も長期休暇を利用して、国内外を問わずに旅行を楽しんでいます。きれいな景色や建造物を見ることとご当地グルメを食べることが大好きです。写真はサンタモニカへ行ったときの様子です。
飯久保 雄太

Profile

飯久保 雄太

プロフェッショナル職(大学卒)(施設)
静岡支社施設部施設課 ※取材当時
2014年入社
土木環境工学専攻卒