私の創造

新たな技術を走らせる。そのために必要な あらゆる環境を整えていく

総合職(施設)
髙橋 和也

仕事

中央新幹線開業後の運用にまで視野を広げて。

“ものづくり”から、さらに一歩先へ。
今ある状況を多角的にとらえつつ業務を推進していく

自らが関わった構造物が形として残り、長く利用され、世の中の発展に貢献していく。それがこの仕事の醍醐味だと思います。同時に、現在携わっている中央新幹線計画においては、超電導リニアという世界初の鉄道を、新たに建設していくことから、より自由度が高いといえるでしょう。長期にわたるプロジェクトだからこそ、技術の進化や社会条件の変化等を踏まえ、関係者が繰り返し熟慮し、調整することで計画が進む。完成型が決まっているのではなく、それをさらに進化させながら創っていくことにやりがいがあると思うのです。 技術的な要素だけでなく、お客さまの求める要求や地形・地質・気象などの自然条件、社会・環境などの社会条件なども踏まえ、方針の決定や仕組みづくりに主体的に関与していきたい。そう考えたことが、総合職を選んだ大きな理由です。入社当初は土木構造物の建設や保守業務に携わることが多かったのですが、徐々に建造物をつくる際に欠かせない、多様な調整役を務めることに恵まれました。また、ここまで築いたキャリアのうちで、幸いだったのは「環境」という大学であまり学んでいない新しい分野の知見を得られたこと。今目の前にある建造物の構築だけでなく、その周辺にある環境を広くとらえ、そのなかでいかに物事をスムーズに進めていくかを学ぶことができたのは、非常に大きな成長だったと思います。 そしてもうひとつ、貴重だったのは諸先輩方からのアドバイス。ここで挙げるには限りがありませんが、私が迷った時、悩んだ時、立ち止まってしまった時、絶妙のタイミングでかけられた短くも率直な言葉は、確実に私の視点を変え、背中を押してくれたと感じています。

 

今後中央新幹線が活躍していくためにも
人々の「安心」と「納得」は欠かせない

現在私は、山梨県内の一部区間における中央新幹線建設工事を担当しています。担当区間はトンネル、橋梁、保守基地と、さまざまな種類の施設が含まれる全線でも珍しい区間ですから、必要な知識は膨大になります。これまでのキャリアを通じて私は建設だけでなく、保守や環境保全の知識も得てきましたから、それらの知見を総動員して一つひとつの課題に向き合い、事業の推進に取り組んでいます。また、これから始まる工事に向けた計画・調査を進めるとともに、沿線の自治体や住民の方々へ計画をご説明し、疑問・不安を聞きながら、調整を行うのも重要な仕事です。そのため、特に沿線住民の方々には専門用語など使わずに、分かりやすく丁寧な説明をするよう心がけています。ご説明の場では住民の方々の期待に応えるためにも、会社を代表して誠実にお話するようにしています。たとえ言いにくいことであってもごまかさず、言葉を尽くしてご説明することで、信頼関係を築こうと心がけています。 私の好きな言葉は「なるようになる」です。これは決して投げやりな意味ではなく、誠実に物事に当たれば誠実な応えがあり、努力なく不誠実であれば、それ相応の結果にしかならないということです。要は、自分の態度、仕事への向き合い方が、そのまま評価や結果を導くと考えているのです。だからこそ、つねに自分の精一杯を実働につなげていかなければと心がけています。その先にこそ、中央新幹線の開業と、その後の私のキャリアが見えてくるのだと考えています。

 

キャリア

専門の土木だけでなく、環境や人との関わり方も学んできました。

'06-4月入社、新入社員研修
系統にかかわらずクラス編成された新入社員研修では、仕事で困った時に相談できる仲間に出会い、また文系・理系の同期と議論を通して新しい視点を得ることができました。
'07-5月新幹線鉄道事業本部 豊橋保線所
新幹線の土木構造物を実際に調査・点検し、維持管理を行う保守業務を行いました。新幹線の安全を支えるという責任の重さとやりがいを実感し、施設に関する多くの学びが得られた期間です。
’07-12月新幹線鉄道事業本部 名古屋保線所
高架線の耐震補強工事を担当しました。高架下に店舗を持つ関係者の方との調整等も行いながら、工事を進めていく難しさを実感しました。
’08-7月新幹線鉄道事業本部 施設部 管理課
新幹線の施設に関する窓口となる業務に就き、各種調整役を務めました。人に「動いて」もらうため、まずは互いの間に信頼関係を結ぶことの大切さを学びました。
‘09-7月新幹線鉄道事業本部 施設部 工事課
保守基地の改良工事担当として、新施設の建設工事に携わりました。これまでの現場経験等を踏まえて設計に自らの意見を反映させるなど主体的に動き、自分なりの成長の一歩を感じることができました。
'10-7月総合技術本部 技術企画部
鉄道の沿線環境に関して会社の代表としての社内外の総合調整役を務めました。私の軸足のひとつになった環境について、社内外の有識者から多くの知識を吸収できたのは大きな収穫でした。
'12-7月新幹線鉄道事業本部 関西支社 大阪保線所
新幹線土木構造物を管理する責任者として勤務しました。7名の部下を持ち、慣れない部下の業務管理に四苦八苦しましたが、良い部下に恵まれ、一つひとつの課題に真剣に向き合いながら解決し、充実した一年を過ごしました。
'13-7月環境省(派遣)
JR東海に籍を置きつつ、環境省に派遣され職員として勤務しました。さまざまな機関・企業・団体から多くの出向者が勤務しており、多様な考えに触れ、自分の考え方の幅を広げることができました。
'15-7月中央新幹線推進本部 中央新幹線建設部 環境保全統括部
中央新幹線建設に関わる環境保全の取りまとめを担当しました。少数精鋭の環境統括担当で、環境影響評価で約束した事柄の具体的な実施方針を決定していきました。
'17-7月中央新幹線推進本部 中央新幹線建設部 中央新幹線山梨工事事務所取材当時
山梨県内の一部区間の中央新幹線建設工事を担当し、工事発注に向けた調査等とともに沿線の自治体や地域住民の方々との調整業務を行っています。
'19-7月新幹線鉄道事業本部 名古屋新幹線構造物検査センター
名古屋新幹線構造物検査センターの所長として、少数精鋭7人の部下とともに、専門的な検査機器を扱いながら、土木構造物の詳細な検査や修繕方針の検討を行っています。所長として部下をまとめて導くと共に、自ら現場で手も動かし、日々充実した毎日を送っています。

これからめざすもの

現時点では、中央新幹線建設を推進し、よりよい構造物を建設していくことが第一目標です。その後はさらに幅広い業務に携わるとともに、会社の方針決定や仕組みづくりに関与することで、世の中の発展に貢献していきたいと考えています。

プライベート

  • 家庭菜園、始めました
    自宅の庭にスペースをつくり、昨年から野菜を育て始めました。初心者らしく、比較的栽培が簡単なものを選びましたが、まずまずの収穫が得られて満足です。休日は家族みんなで土いじり。3人の子どもに囲まれ、にぎやかな時間を過ごしています。
  • ひとりのときはのんびり温泉
    現在は山梨県に単身赴任中のため、近隣の温泉銭湯でリフレッシュ、ひとりの時間を満喫することもたびたびです。湯上がりにはのんびり読書などしていますね。
髙橋 和也

Profile

髙橋 和也

総合職(施設)
中央新幹線推進本部 中央新幹線建設部 中央新幹線山梨工事事務所 ※取材当時
2006年入社
理工学研究科土木工学専攻修了