私の創造

「誰かのために」という一人ひとりの強い想いが地域を支える力になる。

総合職(運輸)
角南 航亮

仕事

乗務員との関わりを通じて、安全・安定輸送への信頼に応える。

在来線の最前線で“人”のマネジメントを行う。

大学院まで含めて6年間化学を専攻していた私が鉄道の仕事を志望したのは、多くの人と関わりながら社会の基盤を支える仕事がしたいと思ったからです。同時に、東海道新幹線や在来線の運行を通じて人々の生活や経済に大きな貢献をしていること、さらに中央新幹線の開業も計画しているというダイナミックな事業展開に惹かれ、JR東海を志望しました。
現在私は運輸区という在来線の乗務員職場で、当直助役という職務に就いています。具体的な業務としては運行管理と社員のサポートです。前者では、乗務員の出退勤時の点呼や注意事項の伝達、輸送障害発生時の遅れ回復のための乗務員の操配業務などです。後者については、乗務員の事故防止意識の向上を目的とした取組みなどを行っています。
このように乗務員という“人”との関わりを通じて、列車の運行の安全性や定時性を維持・発展させていくことが、運輸系統としての私の使命です。鉄道というシステムを俯瞰的に把握し、技術を広く理解する上では、理系出身というバックボーンが役に立っていると感じます。

 

ただ「仲間のために」という想いのもとで。

自然災害などで輸送が大きく乱れると、遅れを回復するために運輸区総出で対応に当たらなくてはなりません。状況によっては特定の乗務員に業務が集中し、負荷が偏ってしまう事態も発生します。そんな時は、ほかの乗務員が何人も「大丈夫ですか。私が代わりに乗務します」と申し出てくれます。自分も乗務を終えたばかりで疲れ切っているはずなのに、ただ「仲間のために」という想いで立ち上がるその姿には、鉄道人としての誇りを感じ、尊敬の念を覚えます。目の前の誰かのためにという気持ちがつながっていくことで、それはお客さまのためにという想いとなり、地域のためにという使命へと昇華していく。在来線や東海道新幹線の違いにかかわらず、JR東海が鉄道の安全・安定輸送を通じて日本の社会を支えているのも、最前線の現場で活躍する一人ひとりのそうした強い想いが原点なのです。
伊勢運輸区では、乗務に向けて出発する乗務員が、大きな声で「みんなのために無事故ヨシ!」と発してから出かけていきます。その背中に向けて全員「行ってらっしゃい」と声をかけて、送り出しています。明るく大きな声が響き合うなか、私は仲間への感謝と尊敬の想いで、胸が一杯になるのです。

 

キャリア

東海道新幹線に携わった後、在来線の職場へ。

'09-4月入社、新入社員研修
社会人として、鉄道人としての基礎を一から学びました。寝食をともにして培った同期との絆は現在でも私が働く上での心の支えになっています。
'09-6月大阪第一運輸所(新幹線車掌)
東海道新幹線の車掌として乗務を行いました。お客さまから直接「ありがとう」と言われるありがたみをはじめて感じることができたのは、この時です。
'10-2月大阪第二運輸所(新幹線運転士)
ときに1,300人を超えるお客さまの命と時間を預かる業務であり、つねに緊張が絶えませんでした。その責任の重さが、同時に日々のやりがいにつながりました。
'10-12月京都駅(駅係員)
京都駅で勤務しました。ビジネスだけでなく観光でご利用のお客さまも多い駅のため、つねにスムーズなご案内を心がけて、日々勉強しながら業務しました。
'11-1月新幹線鉄道事業本部 運輸営業部 運用課(車掌指導)
東海道新幹線の車掌業務に関わるハード・ソフトのブラッシュアップや指導に携わりました。車内放送文の改定で実際に私の考えた放送文が車内に流れた時、仕事の影響力の大きさを実感しました。
'12-3月(出向)学校法人 海陽学園(フロアマスター)
全寮制の中高一貫校で生活する中高生と寮で寝食をともにしながら生活指導・キャリア形成をサポートするフロアマスターという教育業務を行いました。人のマネジメントを行うには、人間としての信頼関係を築くことが前提だと学びました。
'13-7月新幹線鉄道事業本部 運輸営業部 管理課(中長期計画)
東海道新幹線の輸送体系を中長期的な視点でブラッシュアップする構想について、ハード・ソフトの両面から検討を行い、その実施への道筋を立てました。特に2年半もの間検討に検討を重ねて実現した車内改札のシステム化を完遂し、実際に車内でオペレーションが変わる光景を目の当たりにした際は、この上ない達成感とやりがいを感じました。
'16-7月東海鉄道事業本部 伊勢運輸区取材当時
在来線の伊勢運輸区で、当直助役として乗務員のマネジメントを担当しました。約140人の小さな職場で、アットホームな雰囲気がとても居心地よく感じられました。
'18-7月東海鉄道事業本部 運輸営業部 管理課(社員管理・教育)
東海エリアの在来線職場の人事・教育業務を担当しました。各職場の日々の業務を支えながら未来への種まきを行うといった業務内容で、カバーする社員数は3000人を超える非常に大きな規模でしたが、直近の現業機関で間近に感じてきた社員に対する感謝の気持ちを昇華させるという想いで業務に取り組みました。
'20-7月静岡支社 運輸営業部 輸送課(企画・輸送計画・波動計画)
静岡エリアの在来線の輸送計画業務を担当しています。お客さまのご要望やご利用動向、最前線で業務を行う社員の声など、ありとあらゆる情報を掴み、当社最大の商品ともいえるダイヤのブラッシュアップを行っています。チームで議論を重ね、無数の選択肢の中から「血の通った解」を導き出せたときに大きなやりがいを感じます。
'21-7月静岡支社 運輸営業部 管理課(総務・契約・構内営業)
静岡エリアの在来線事業を運営するために、運輸系統の観点から必要となる業務を幅広く行っています。社員の安全を確保するための取り組みの検討と推進、予算・決算に関する調整や関係各社との契約締結など、その範囲は多岐に亘ります。お客さまやグループ会社を含めた働く仲間への感謝の気持ちを原動力にし、日々の業務に取り組んでいます。
'23-7月総合技術本部 技術企画部 C&C事業室(テキサスプロジェクト)
アメリカのテキサス州のダラスとヒューストンを当社の新幹線型高速鉄道で結ぶプロジェクトにおいて、日本のメーカー各社とタッグを組んでコアシステムの受注に向けた業務を行っています。非常に壮大なプロジェクトですが、これまで培ってきたスキルやノウハウを活かし、アメリカの大地を新幹線が駆け抜ける日まで粘り強く歩み続けます。

これからめざすもの

東海道新幹線、在来線の業務に携わってきましたので、今後は今まで経験していない業務にチャレンジしていきたいと考えています。具体的には中央新幹線の検討や投資計画、輸送計画の策定、高速鉄道の海外展開を担当したいと思います。

プライベート

  • 絶景のウユニ塩湖へ行きました
    世界の絶景が好きなので、長期の休みが取れた時は、海外へ飛んでいます。写真は、クリスマスシーズンにボリビアのウユニ塩湖を訪れた時のもの。まさに絶景でした。
  • 子どもが一番の癒やしです
    まだ幼い息子には、いつも無条件で癒やされています。抱きしめる時は、こんなふうに顔がくしゃくしゃになります。お風呂に入れたり、絵本を読んであげたりする時間は、私にとって宝物です。早く一緒に絶景を見に行けるようになりたいです。
角南 航亮

Profile

角南 航亮

総合職(運輸)
東海鉄道事業本部 伊勢運輸区 ※取材当時
2009年入社
理工学研究科 応用化学専攻修了