私の創造

三世代の鉄道を通じて実感する、私たちの提供する普遍的価値。

総合職(運輸)
仁野 慎也

仕事

社会のため、人のために力を尽くしたい。

社会課題に向き合った在来線のあり方とは。

本格的な人口減少社会を迎えた日本。それに伴う労働力不足はJR東海にとっても重要な課題の一つで、将来にわたって列車の安全安定輸送を支えていくためには現在の業務執行体制の見直しが必須と考えられます。そこで発足したのが、今後10~15年かけて定常的なコストを約1割削減するために既存の仕事の進め方を見直し、それに適した人員態勢や設備水準とすることをめざす「業務改革プロジェクト」です。私はこのプロジェクトの在来線の運輸部門の専任として、よりスリムな鉄道の運行体制について検討しています。
言うまでもなく安全安定輸送は絶対的な大前提として取り組んでおり、現在の業務を見直す際も、それは安全安定輸送に必要な業務か否かという視点を大切にしています。各部門の担当者の経験や知見、アイデアを踏まえつつ、総合的に判断を下さなくてはなりません。特に既存の手順や枠組みにとらわれないやり方を取り入れようとする場面では、周囲の心を一つにして取り組むことが重要です。私自身は理系の人材として学生時代を過ごしたことで身につけたロジカルな思考力が強みであると自認しているものの、論理性だけに頼ることなく、日頃のコミュニケーションを通じたチームワークづくりも大切にしています。
JR東海の在来線は人々の“足”としての地域輸送と同時に、東海道新幹線のフィーダー輸送も担っています。それだけに留まらずリニア中央新幹線との接続も前提に、どのようなクオリティのサービスが求められるかも考えなくてはなりません。長期的な視野を大切にしながら目の前の課題に取り組み、1歩ずつ着実に改革を推進していきたいと考えています。

 

1人ひとりの想いに寄り添っていく。

これまで在来線と東海道新幹線の業務に携わり、さらには広報部ではリニア中央新幹線に関する広報も担当しました。“三世代の鉄道”に関われたことを嬉しく思うと同時に、“社会のため、人のため”という鉄道事業の本質的なやりがいに変わりはないということも感じています。
印象に残っているのは、品川駅で管理者をしていたときのことです。遠くへ引っ越されるご友人をお見送りするために来られた親子連れのお客さまが、そのご友人を見つけられずに困っていたため、お声がけしてご案内しました。後日、「あのまま会えなかったら子供にとても悲しい思いをさせてしまうところでした」という感謝のお手紙をいただきました。品川駅は大勢のお客さまがご利用されます。その1人ひとりのお顔に目を配り、それぞれの事情や思いにも気を配ることの重要さと、やりがいを感じました。
同じく品川駅では、教育を担当した社員から、私の異動の際に手紙を受け取りました。そこには「声をかけていただいたことで大きな力をもらい、もっと頑張ろうと思えた」という言葉がつづられていました。“社会のため、人のため”にはお客さまはもちろんのこと、当社の社員も含まれていることに気がつき、自分の仕事や行動が多くの人を支えていることを実感しました。
将来は開業後のリニア中央新幹線を育てていく仕事に挑戦したいと考えています。技術の進歩や価値観が多様化する中、それにふさわしい輸送サービスを磨き続けることで、いつまでも社会と人々に貢献していきます。

 

キャリア

常にお客さまや社員と向き合ってきました。

'12-4月 入社、新入社員研修
2カ月間、鉄道の根幹である「安全」に対する考え方や社会人としての基礎を培いました。規律やルール遵守の考えが根底にあるからこそ、創造豊かな発想や柔軟な判断ができることを学びました。
'12-6月現場研修(新幹線車掌、新幹線運転士、京都駅)
運輸業はサービス業であると感じた現場研修でした。私の地元である京都駅で業務をしたときは、地元に恩返しするという感覚を味わいました。
'14-2月東海鉄道事業本部 運輸営業部 営業課・輸送課(旅客指令・輸送列車指令)
初めての在来線業務で、駅名を覚えることからスタートしました。在来線の直面するさまざまな状況に応じて、指令は列車の停止、運転の再開、車内の様子の確認、現地対応の指示を出します。緊張感をもって取り組みました。
'14-7月東海鉄道事業本部 運輸営業部 輸送課(基本計画・特急気動車取替プロジェクト)
飯田線のダイヤ作成を担当。検討したダイヤで実際に列車が運行され、人々の生活を支えているという喜びを味わいました。その後はハイブリッド方式新型車両HC85系の開発プロジェクトに携わりました。HC85系が営業車として名古屋駅を出発する姿を見送ったときは、感慨深かったです。
'17-3月総合研修センター(インストラクター)
新入社員研修をインストラクターとして担当。日々、新入社員が成長していく様子に驚かされるとともに、私にとっても大きな自信につながりました。
'17-6月広報部 東京広報室(報道)
主な業務はマスコミ(記者)対応でした。記者会見や取材の企画、現地対応などを通じて、情報発信による企業価値の向上に努めました。
'19-7月品川駅(営業科 教育助役)
現場の教育担当の管理者を務めました。高校を卒業したばかりの新入社員からベテラン社員まで、幅広い年齢の社員と接する中で、管理者とは先生であり、プロデューサーであり、親でもあると感じました。
'21-7月東海鉄道事業本部 運輸営業部 管理課(業務改革)取材当時
「業務改革プロジェクト」において、施策の旗振り役として奮闘しています。将来の飛躍に向けた推進力の確保を担う重要なプロジェクトだと考えています。在来線は知恵と工夫次第。強い決意で取り組んでいます。
'23-7月株式会社 JR東海リテイリング・プラス(出向) 営業本部 列車サービス運営部
グループ会社へ出向し、合併による新会社設立に立会うことになりました。ワゴン販売の終了や東海道新幹線モバイルオーダーサービスの開始、新しい人事制度の設計・運用など、新しい会社で、新たなサービスに携わっています。これからの新幹線パーサーの目指す姿や、東海道新幹線の車内サービス像を確立させていくというミッションに、非常にやりがいを感じています。

これからめざすもの

社会の変化に合わせ、これまでになかった価値観やサービスを生み出し、人々をあっと驚かせられたらと思っています。

プライベート

  • 京都の生活を楽しんでいます
    最近、京都に引っ越しました。地元に帰ってきたという感覚です。週末になると5歳と2歳の息子たちと一緒に、街歩きや公園遊びを楽しんでいます。京都にはこの先もずっと住み続けたいと考えています。
  • 家族で天体観測
    大学では天文学同好会に所属し、山奥で星を眺めていました。それを受け継いだのか、子供たちも星を眺めるのが大好き。先日は子供用の望遠鏡を組み立て、琵琶湖まで行って天体観測を楽しみました。
仁野 慎也

Profile

仁野 慎也

総合職(運輸)
東海鉄道事業本部 運輸営業部 管理課 ※取材当時
2012年入社
理学研究科地球惑星科学専攻修了