私の創造
お客さまを安全、快適に
お運びする、
その使命こそが誇り。
- プロフェッショナル職(大学卒)
- 運輸系統
石川
仕事
ホームを歩くお客さまの笑顔に、
かけがえのない喜びを感じる。
子どものころの新幹線運転士という夢をかなえる。
幼い頃から電車が好きだった私にとって、運転士になることは一番の夢でした。今も思い出すのは小学校低学年のころ、祖父母に連れられて新大阪駅のホームで東海道新幹線を眺めていたら、乗務員さんから「これどうぞ」とノベルティをいただいたことです。当時のノベルティは物差しでした。天にも昇るような思いで受けとった私は、一度も使わないまま大切にしまっておいた記憶があります。今もその物差しは、実家に残っています。あのころの夢をかなえて東海道新幹線の運転士となることができた私は、ホームを歩くたび、そんなことを懐かしく思い出しています。
現在私は東海道新幹線の運転士と車掌を兼任しています。運転士としては、15秒単位で管理されている時刻どおりに列車を発車、通過、停車させることが使命です。車掌としては、ドアの開閉や放送、車内巡回を通じてお客さまへのご案内を行っています。アイコンタクトを大切にしており、目の合ったお客さまから乗り換えや旅先についてのご質問をいただくことも多くあります。
運転士として勤務している時はお客さまと接することはほとんどないのですが、車掌として乗務した際に接したお客さまを思い浮かべながら、“大勢の方の命をお預かりしているんだ”との気持ちで運転しています。
いずれの業務においても、お客さまがワクワクした表情で駅のホームを歩いている様子を目にすることが、最もやりがいを感じる瞬間です。目をキラキラさせているお子さまの姿を見ると、つい幼いころの私自身を重ねてしまいます。もしもそのなかから未来の運転士が誕生したら、こんなに誇らしいことはありません。
本質を理解してこそ、
臨機応変な対応が可能に。
日々の業務は想定外の連続でもあります。例えば車内での急病人の発生です。運転士として乗務している時は、車掌やパーサーからの連絡を受けて私が指令に急病人の発生を報告。次の停車駅まで運転するのか、臨時停車を行うのかの指示を受けます。駅では救急車を待機させるなどの準備を進め、その間、車掌は医師が乗車していないかをたずねる緊急の車内放送を行います。このようにお客さまをお守りするために全員がひとつのチームとなって、自らなすべきことに全力で取り組みます。
目の前で発生する様々な事象に臨機応変に対応することが乗務員には求められており、そのために私が大切にしているのは、本質を理解することです。鉄道の仕事には数多くのマニュアルがありますが、それを単に覚えているだけではより良い対応は難しいでしょう。なぜこうしたルールがあるのか、何を守るためなのか、それによってどんな影響が生じるかといった本質的なことを理解してこそ、想定外の事象に際しても正しい対応が可能になるのです。シミュレーターを使った訓練も、そうした力を磨く上で不可欠です。
私は大学で超音波を用いた非破壊検査の研究に取り組みました。列車の車軸の検査などに活かすことができれば、との考えからでした。そのため応募の際は車両・機械系統と迷いましたが、お客さまを直接笑顔にできる乗務員になりたいと考え、最終的には運輸系統を選びました。
キャリア
車掌、駅員、運転士と
経験を重ねてきました。
2019
4月
入社、新入社員研修
同期と寝食をともにしながら、鉄道人として時間管理の徹底とチームプレーを学びました。クラス対抗で挑んだ時刻表競技会において自分のクラスが優勝できたことは、いい思い出です。
7月
新幹線鉄道事業本部 東京第一運輸所
初めて東海道新幹線の車掌として乗務しました。東京駅を出発する際にドアを閉めた瞬間の緊張感は今も忘れられません。逆に新大阪駅に到着した時のことは、全く思い出せません。おそらく安堵感で頭のなかが真っ白だったのでしょう。慣れてくるにつれ、安全を守りつつ車内の秩序や快適性を保つ仕事にも落ち着いて取り組めるようになりました。
2021
11月
東海鉄道事業本部 名古屋駅
きっぷうりばできっぷを販売する出札業務と、改札口での案内などの改札業務を担当しました。台風で計画運休となった次の日、名古屋駅の巨大なコンコースがお客さまで埋め尽くされた光景に、どれほど多くの方が運行の再開を待ち望んでいるかを実感しました。出札業務では忙しさのあまり自分の手元にしか目が行かず、外国人のお客さまに「ちゃんと目を見て話しなさい」とご指摘をいただいたことは今でも心に残っています。
2023
10月
関西支社 大阪第二運輸所 ※取材当時
研修と見習い乗務を経て、現在は東海道新幹線の運転士及び車掌として乗務しています。運転士業務については、運転士の師匠に教えていただいた運転方法をもとに、定時性と快適性を両立できる運転を日々模索しています。
これからめざすもの
将来は運輸系統と車両・機械系統の橋渡し役となり、効率のよい車両の運用計画やメンテナンス、新型車両の設計、改良などにも携わりたいと考えています。
プライベート
台湾で新幹線に乗りました
趣味は旅行です。写真は会社同期の親友と行った台湾旅行です。ふたりとも、乗り物好きなので、台湾新幹線に乗ることが大きな目的でした。軌道にカーブがほとんどなく、日本の新幹線との違いを楽しみました。
釣りでのんびりリフレッシュ
仕事柄、平日の休みが多く、釣りに出かけることが多いです。普段は秒単位の時間を管理しているため、時間を忘れて静かな海を眺めながら過ごすひとときは最高のリフレッシュです。釣った魚を料理して、家族や仲間と食べるのも楽しみです。
Profile
- プロフェッショナル職(大学卒)
- 運輸系統
石川
関西支社 大阪第二運輸所 ※取材当時
2019入社
システム工学部 電子計測学科卒
この社員が関わっている事業
新幹線鉄道事業
進化を続ける東海道新幹線