私の創造

仲間とともに在来線の安全安定輸送に貢献していきたい。

プロフェッショナル職(高専卒)(電気・システム)
田中 千加

仕事

専門性を発揮することで、日々の列車の運行を支える。

災害時に実感した、仲間たちとの絆。

JR東海の在来線には、約4000局の無線設備があります。列車無線・防護無線は安全安定輸送に不可欠の設備であり、基地局の検査や車上局の点検等を通じて常に正常動作を維持しておく必要があります。また、経年劣化に伴って最適なタイミングで取替を行わなくてはなりません。私は通信設備の中で特に電波に関する設備の保守管理や取替計画、次期設備の仕様検討等を担当しています。電波は目に見えないため、雑音等に起因した不具合が発生した際の確認は非常に困難です。その困難な確認をどのように行うか計画し、実際に私自身が現地に赴いて測定や試験を実施することもあります。また装置の切替工事等に際しては、仕様書や現地設備を確認して機器の仕様を把握した上で、どのような試験を行うか、メーカーや関係箇所と調整も行います。
私の所属する信号通信分野の仕事は、配線1本の間違いで列車の安全運行を脅かす恐れがあります。工事を担当する際は設備の仕組みをよく理解し、列車運行に影響を及ぼさないように細心の注意を払っています。
災害復旧も重要な仕事です。2021年には大雨による大規模災害に起因して複数の列車無線の基地局故障が発生しました。私は被災した列車無線をいかに早く復旧するかに全力を尽くしましたが、他の線区の現場から「何か協力できることはないか」「必要な備品を届けたい」というたくさんの声をいただきました。職場を越えてお客さまのために一刻も早い復旧を願う仲間の気持ちが心に染みて、JR東海ならではのチームワークの素晴らしさを実感しました。

 

女性の活躍を支えてくれる制度と風土。

瀬戸内海の島に生まれ育った私にとって鉄道は縁遠い存在で、乗る機会はほとんどありませんでした。東海道新幹線がどこからどこまで走っているのかさえ、知らなかったほどです。そんな私がJR東海に興味をもったのは、高専の先生の勧めで企業研究したところ、1本の列車を走らせるために多くの人間が裏方として活躍し、私も情報工学という専門性を発揮することでその一員になれるということを知ったことによります。そして入社の決め手となったのが、企業としての安定性です。落ち着いた環境で生涯働き続けたいと考えていた私にとって、1人ひとりの社員を大切にし、女性が長く働くための環境・制度の整っているJR東海は大変に魅力的でした。
入社後、女性であるということで違和感を覚えたことはまったくありません。どの職場にも更衣室など女性のための設備が整っていますし、業務でも男女の違いなく、1人の技術者として責任ある仕事を任せてもらっています。もちろん制度面も充実しており、育児休職から復職後は時短勤務や看護休暇等の制度を利用することで子育てと仕事を両立できました。看護休暇は、子どもが発熱した際などに休暇を取得できる制度です。保育園から急に呼び出しの連絡があったときには非常に助かる制度で、職場の皆さんも「早く行ってあげて」と快く送り出してくれました。
現在、電気・システム系統の各職場では多くの女性社員が活躍しています。後輩の皆さんが安心して仕事と育児を両立できるよう、私の経験を活かしながら支えていきたいと思っています。

 

キャリア

仕事と育児を無理なく両立できました。

'11-4月入社、新入社員研修
生まれ育った瀬戸内海の島を離れて、初めての地で同期の仲間たちと過ごしました。慣れない共同生活で苦労もありましたが、JR東海社員としての基礎を身につける大切な時間を過ごしました。
'11-6月東海鉄道事業本部 名古屋信号通信区
在来線の通信設備の保全や工事に携わりました。その中でも特に印象に残っている業務は集中監視装置の取替です。集中監視装置は通信設備に異常があった際にいち早く指令で情報を収集し、設備故障の対応をするためのとても重要な設備です。数日間かけて膨大な量の配線を切り替えていく中で、準備の大切さや確実な作業の重要さを実感しました。
'13-7月東海鉄道事業本部 岡崎信号通信区
初めて信号設備の保守を担当しました。東海道本線岡崎駅で列車の進路を制御する連動装置の取替があり、切替までに何度も夜間に試験を行ないました。その中で先輩社員の丁寧で確実な仕事ぶりから多くのことを学びました。
'16-9月分べん休暇・育児休職
妊娠中から周囲の皆さんには配慮していただき、不安なく仕事を続けられました。子どもが2歳半になるまで育児休職を取得し、充実した日々を過ごせました。
'19-4月東海鉄道事業本部 岡崎信号通信区
復職し、時短勤務や看護休暇等会社の制度を活用しながら仕事と育児の両立に努めました。
'19-7月東海鉄道事業本部 岐阜電気区
通信設備の保全や工事に携わりました。時短勤務によって、現場作業も無理なく担当できました。
'20-7月東海鉄道事業本部 電気部信号通信課取材当時
在来線全線の信号通信設備に関わる仕事を統括する部署で、電波管理業務や通信設備に関わる工事設計を主に担当しています。

これからめざすもの

在来線の通信設備をよりよいものにしていけるよう、今後も通信設備の保守管理や設備更新に関わる業務を続けていきたいと思います。

プライベート

  • 全国の旅を楽しんでいます
    旅行が好きで、家族と一緒に全国各地を旅しています。息子が電車好きであるため、旅先で見たことのない電車に出会えるのも楽しみの一つです。
  • 家族と一緒に帰省しました
    瀬戸内海に浮かぶ故郷の島へ、帰省しました。実家を離れてしばらくたった今だからこそ、改めて素晴らしい環境の島だと気づきました。山や海を満喫しながら過ごしました。
田中 千加

Profile

田中 千加

プロフェッショナル職(高専卒)(電気・システム)
東海鉄道事業本部 電気部信号通信課 ※取材当時
2011年入社
情報工学科卒