私の創造

人々の信頼に応えたい。それがさらなる成長へのモチベーションに。

プロフェッショナル職(高専卒)(電気・システム)
笹木 栄志

仕事

「尊い仕事をしているね」との言葉を胸に刻んで。

車内の通信環境改善に取り組む。

新型コロナウイルスの感染拡大を契機に人々の生活様式は大きく変わり、ビジネスシーンにおいてもリモートワークやウェブ会議などが浸透しました。東海道新幹線に乗車中もウェブ会議を行いたいというニーズは強く、それに伴ってスマートフォンなどのモバイル端末による通信を、より安定したストレスフリーな環境でご使用いただくために、私の所属する部署では、東海道新幹線車内のモバイル通信環境の改善に取り組んでいます。まだスタートしたばかりで、現在は新幹線車内の電波環境の現状把握のために、電波強度の調査などを実施しているところです。プロジェクトメンバーの一人として最初の段階から参画できていることを、大変嬉しく感じています。
東海道新幹線は山間部を切り開いた場所を走ったり、長いトンネルがあったりと、安定した通信環境を確保する上ではかなり厳しい環境にあります。そうした中で安定した通信環境を実現することは容易ではありません。しかし、安定した通信環境を実現することはサービスの向上に確実につながり、より便利で快適な移動空間の提供が実現できます。
かつて鉄道会社の通信設備は、時代の最先端を走っていたと聞いたことがあります。これからのJR東海が通信の分野でも第一人者であるよう、そして新しい価値を社会に提供していけるよう、私も貢献していきたいと思います。

 

失敗に学び、共有する企業文化。

JR東海で働いていて素晴らしいと感じるのは、人を育てることを大切にする風土です。私も、特に若手の頃には多くの失敗を経験しました。鉄道の運行に支障をきたすことはありませんでしたが、それでも背中に冷や汗が伝うような経験を重ねてきました。ただ、そんな失敗をしても、上司や先輩から頭ごなしに叱られるようなことはありませんでした。むしろ「一緒に原因を考えよう」「次は失敗しないように一緒に工夫しよう」と声をかけていただきました。個人の責任として責めるのではなく、全員で共有し、改善につなげていこうとする風土が根づいていると実感しました。在来線、東海道新幹線に関わらず、JR東海の鉄道の安全・安定輸送とは、こうした積み重ねによって支えられてきたのだろうと思います。
私がこれまでの会社人生で特に印象に残っているのは、「プロジェクトの成功の一つは、人の成長である」という言葉です。人材が成長してこそ、プロジェクトも成功したと言える素晴らしい言葉です。今も私はこの言葉を大切にしています。そして多くの若手を指導する年齢となった今、かつて自分がそう指導を受けたように、失敗しても頭ごなしに叱らず、一緒に考える姿勢を大切にしています。
静岡地区に勤務していた15年ほど前のことですが、研修で着た服をクリーニング店に持っていったところ、JR東海のロゴを目にしたお店の人に「尊い仕事をしているね。いつもありがとう」と言っていただいたことがありました。社会のライフラインである鉄道の仕事に携わっていることを、改めて誇らしく感じた出来事でした。これからもこの時の言葉を胸の中に置き、さらに前に進んでいきたいと考えています。

 

キャリア

多くの素晴らしい出会いがありました。

'06-4月入社、新入社員研修
新入社員研修は緊張の毎日でしたが、ここでの経験が会社人生の基礎となったのは間違いありません。一緒に過ごした同期とは、現在でも相談や連絡をしています。
'06-5月新幹線鉄道事業本部 豊橋信号通信所
初めての職場で、信号通信設備のメンテナンスや工事施工・監督方法について先輩社員から指導を受けました。同世代のメンバーで上司の家に泊まるなど、人間関係にも恵まれました。
'08-7月新幹線鉄道事業本部 静岡信号通信所
静岡地区に異動となり、列車無線切り替えなど、大規模な工事を担当しました。失敗もしましたが、同僚や上司をはじめ、さまざまな方のフォローをいただきました。感謝の気持ちは今も変わりません。
'10-7月新幹線鉄道事業本部 静岡信号通信事務所
これまでの現場経験を活かし、工事の設計、積算及び契約、更には監督員への教育といった業務に携わりました。新富士駅改良に伴う通信設備の新設、移転などで、他系統と調整しながら設計を進めたことは、良い経験になりました。
'13-7月株式会社日立製作所 水戸交通システム本部(出向)
メーカーに出向し、民間鉄道会社の車上の情報装置や、指令所の運行管理システムの品質保証業務を担当しました。メーカー目線での試験方法や品質管理について勉強させていただきました。また、受注側の立場からJR東海を改めて見ることができました。昼休みに広い工場の中でランニングをしたことも印象に残っています。
'15-7月新幹線鉄道事業本部 浜松信号通信所
東海道新幹線沿線の光ファイバーケーブルを更新するプロジェクトで、先行工事の監督を担当しました。全線を代表しての工事であり、完遂時には大きな達成感が得られました。後輩指導にも取り組み、周囲を巻き込みながら業務改善に携わりました。
'18-7月総合技術本部 技術開発部
ミリ波方式の次期新幹線列車無線システムやN700S新幹線車両の新型静電アンテナの技術開発に携わりました。技術開発という初めての業務において、開発した設備の試験や学会での論文発表などを経験しました。在来線の設備にも携わって視野を広げることができました。濃密な2年間でした。
'20-7月建設工事部 電気工事課 信号通信技術管理 情報基準
設備の設計や施工する上でのルールや、これから導入される設備の仕様などの制定業務を担当しました。特に技術開発部で携わった次期新幹線列車無線の設計施工ルールや関連設備の仕様の策定業務では、新規制定というハードルの高い業務でしたが、やりがいと達成感を強く感じました。
'24-4月総合技術本部 技術企画部取材当時
東海道新幹線車内の通信環境改善計画に取り組んでいます。新しい施策をスタートメンバーとして担当できることを誇りに、使命感を持って業務を進めています。

これからめざすもの

現在JR東海では新たな事業として、東海道新幹線の線路沿いに敷設している鉄道事業用光ファイバーケーブルの心線の一部を、外部の電気通信事業者等へ貸し出すことを行っています。これは「縁の下の力持ち」であった設備が収益面で貢献するという、かつてなかったチャレンジです。将来は私も、鉄道資産を活用して収益拡大に結びつくような取り組みに携わりたいと思います。

プライベート

  • 子供たちの大好きな動物園・公園へ。
    休日には家族で外出しています。私が田舎育ちなので、できるだけ外で遊ぶ元気な子に成長してほしいと願い、動物園や公園で遊んでいます。子どもたちはパンが大好きなので、おいしいパン屋さんを探しに行くこともあります。
笹木 栄志

Profile

笹木 栄志

プロフェッショナル職(高専卒)(電気・システム)
総合技術本部 技術企画部
2006年入社
情報工学科卒