私の創造

見えない電気を、見えないところで支えている。それが技術者としての誇り。

プロフェッショナル職(大卒)(電気・システム)
猪狩 愛実

仕事

自社で設計し、自社で使う。
それが電力のユーザーならではの醍醐味。

万が一にも電気が止まることのないように

東海道新幹線を利用するお客さまが電力設備の存在を意識することはないでしょう。しかし駅の営業や列車の運行に電気は欠かせません。万が一にも電気が止まることは、あってはならないのです。普段は意識されることはないけれど、絶対になくてはならない電気。私はそんな重要な電気を安定して利用できるようにするために、東海道新幹線の駅、指令所、車両基地などの電力設備改良工事の設計業務に従事しています。
基本的には老朽化等に伴って既存設備を取り替える際に業務が発生します。具体的な作業としては、工事に伴う現地調査や事前設備確認、施工方法の検討、関係箇所との施工調整、工程管理、安全管理、工事の品質管理などです。工事中は現場まで足を運び、作業の安全や品質を確認しつつ進捗状況の管理も行います。また設計の段階では市場調査に基づいてより省電力、コンパクトになる設備を採用するなど、自分の提案を盛り込むことができます。自社で使うための電力設備を自社で設計できるところは、電気のユーザーならではの醍醐味といえるでしょう。
既存の電力設備の取替となるため、設置場所の環境はさまざまで、必ずしも基本設計通りに施工できるとは限りません。例えば高架下に設置する設備で、十分な高さが確保できないこともよくあります。そうした現場の環境や状況を正しく把握し、事前に施工側の意見を聞き、さらには経験豊富な先輩方に過去の工事事例を教わることで、現場に最もふさわしい設計を心がけています。安全・安定輸送を守るため、どんなに些細な事でも見落としや失敗は許されません。そのため、設計から工事完了まで数ヵ月から1年がかりということも珍しくありません。もちろん電力設備が切り替わったことに、お客さまは気づかれないでしょう。でもそれは、切換工事がうまくいった証し。お客さまに気づかれないことに、私は電気の技術者としての誇りを抱いています。

 

女性であることを意識せずに力を発揮

幼い頃からものづくりが好きだった私は、電気という存在にずっと興味をもっていました。その思いが高じて大学では電気工学を専攻。強電を学びました。そしてその知識を活かせる場で活躍したいと考えたとき、“軸”となったのが、女性が活躍できる環境があるかどうかだったのです。
その点JR東海は、現業機関でも女性が存分に働けるよう、十分な環境が整っていました。女性専用の仮眠室や更衣室、お風呂などの設備関係はもちろんのこと、業務においても男女に違いのないことがわかりました。実際に働くようになってからは、予想以上に充実した環境であることを実感。特別扱いされることもなく、1人の電気技術者としての自覚のもとで働いています。
また電力設備は、10年、20年という長期で使われることもあります。大型台風によって各地で被害が発生したときは、私が設計した受電柱も倒壊したのではないかと心配になりました。十分な強度が保てるように設計したつもりでも、自然災害ではどんな想定外のことが起きるかわかりません。心配しながら現地に確認の連絡をしたところ「びくともしていませんよ」と返事をいただき、ホッと胸をなで下ろしたこともありました。決して電気を止めてはならないという責任のもと、災害時でもその使命を果たせていることに、自信をもちました。
日本経済の大動脈として、当たり前のように走り続けている東海道新幹線。その“当たり前”を支えている電力設備が当たり前のように動き続けるよう、これからも私は支え続けていきます。

 

キャリア

電気の技術者として経験を重ねてきました。

’08-4月入社、新入社員研修
社会人としての心構え、JR東海の一員としての知識を学び、社会人として確かな一歩を踏み出すことができました。10年目に久しぶりに同期で集まりましたが、頼もしく成長した仲間の姿がまぶしかったです。
’08-6月新幹線鉄道事業本部 東京電力所
東京駅と総合指令所の保守を行う東京電力所に配属され、主に電灯設備の保守・工事監督等に従事しました。東京駅のリニューアル工事が行われていた最中でもあり、日々変わる負荷設備を必死で覚えたものでした。「電気があるという当たり前のことを守るのが自分の使命」と認識した時期でもあったと思います。
’12-7月新幹線鉄道事業本部 東京電力事務所
東京駅から熱海駅までの電力所管内で行われる電灯電力設備工事の設計業務を担当しました。東京電力事務所は7箇所の職場の状況を把握した上で設計業務を実施するため、幅広い視野と知識が求められました。
’14-7月建設工事部 電気工事課 東京第二電力担当課取材当時
東海道新幹線の電灯電力設備における大規模な更新工事の設計業務を担当しました。設計にあたっては、現在使用している設備をただ新しくするのではなく、使用者の意見を取り入れ、より使用しやすく、かつ保守性に優れた設備となるよう意識しました。設計した設備が今後10年、20年と使用されます。今後の安全・安定輸送を守り続けるための設備を作ることに直接携われることに大きなやりがいを感じながら取り組みました。
’21-7月新幹線鉄道事業本部 東京統括電気所 新横浜電気技術センター
新横浜駅及び沿線の電灯電力設備の保守・工事監督に従事しています。久しぶりの現場での業務となりますが、設備の保守だけでなくグループとしての運営、教育・育成にも力を入れています。保守、設計の両方に携わってきた経験を活かし、両方の立場を考えて業務や後輩育成を行っています。

これからめざすもの

電気の技術者として活躍する女性社員が増えて欲しいと思っています。そのお手本となれるよう、プロフェッショナル社員としての誇りをもちながら、さらに自分自身を磨いていきたいと考えています。

プライベート

  • テニス部で合宿に行きました
    会社のテニス部に入っており、伊豆高原まで合宿に行きました。家族ぐるみで参加している社員もいるほど、仲のいい部です。他系統の社員との交流を楽しんでいますが、仕事を意識することはなく、テニス好きな仲間たちという感じです。
  • 京都が大好きです
    もともと京都が好きで、JR東海に入社してからは、頻繁に足を運ぶようになりました。週末に日帰りすることも多いです。寺院巡りをしながら自分を見つめ直すことで、いいリフレッシュができています。
猪狩 愛実

Profile

猪狩 愛実

プロフェッショナル職(大卒)(電気・システム)
建設工事部 電気工事課 東京第二電力担当課 ※取材当時
2008年入社
工学部電気工学科卒