私の創造

この駅は、笑顔の連鎖の起点になれる。

プロフェッショナル職(大学卒)(運輸)
藤枝 可奈美

仕事

人が行き交い、街の玄関口でもある駅の魅力を高めるために。

「ありがとう」のあふれる駅を仲間とつくりたい。

約1年3ヵ月の育児休職を終えて、品川駅へ復職して2日目のことです。久しぶりの駅業務に不安を感じていた私は、仕事の勘を取り戻そうと構内を巡回していました。その際、お客さまから乗り換えのご相談をいただいたので、ご案内をしたところ「ありがとう、あなたに会えてよかったわ」との言葉が返ってきたのです。駅業務って、お客さまからこんなに温かい気持ちをいただける仕事だったんだと思い出し、とても嬉しくなりました。私の方こそ、お客さまへの感謝で胸がいっぱいになりました。
私が運輸系統を選んだのは、駅での仕事に興味があったからです。当時、JR東海では接客サービス向上を目指した「ブランドクオリティサービス運動」に取り組み始めた頃でした。もともと人と接することが好きだった私は、安全・安心を最優先しつつも、東海道新幹線にふさわしいおもてなしの創造に挑戦したいという思いがあったのです。
品川駅で勤務するのは、入社3年目に続き2度目です。窓口でのきっぷの販売が主な業務ですが、改札でのご案内なども行います。最初に勤務した頃と比べて品川駅も大きく変わりました。一番の変化は海外のお客さまが激増したことです。日本のお客さまには「スマートEX」が普及したこともあって、窓口にいらっしゃるのは海外のお客さまが中心です。英語での接客が日常的で、英語が通じない場合には翻訳機を使っています。これから品川駅を出発されるお客さまは日本を楽しもうとワクワクされており、私もいい旅立ちをしていただきたいという気持ちで対応しています。時にはネガティブな感情がお顔に表れているお客さまも、こちらがポジティブに接することで次第に笑顔になり、「ありがとう」と言ってくださいます。そんな瞬間が、私は大好きです。

 

駅だけでなく、地域の魅力も発信したい。

品川駅開業20周年に際して、私は記念イベントを企画運営するプロジェクトに参画しました。企画されたイベントの一つが、品川駅で初開催の『JR東海さわやかウォーキング』です。品川区の運河沿いや旧・東海道宿場町の雰囲気を感じながら、旧跡・史跡を巡って約9.3kmを歩くというイベントです。品川はビジネス街のイメージが強く、また駅も乗換駅として利用される方がほとんどです。だからこそ、私は周辺の魅力を再発見していただきたいと考え、イベントに参加された方にコース周辺の写真をSNSに投稿していただくことを企画しました。
イベント当日、私は受付を担当したのですが、30分も前から参加希望の方々の行列ができたのには感動しました。しかも半数以上が、静岡や名古屋など遠方からわざわざ足を運んでくださったお客さまでした。『JR東海さわやかウォーキング』そのもののファンも多かったようです。おかげでイベントは大きな成功を収め、お客さまからご満足の声をたくさんいただきました。このように、駅員の枠組みに収まらないようなチャレンジができることも、この仕事の面白みです。
私は学生時代に街づくりについて学び、街の中心地であり玄関口でもある「駅」に関心を持つようになり、JR東海を志望しました。将来はリニア中央新幹線の開業に際して、新たな駅を中心とした街づくりに携わってみたいと考えています。

 

キャリア

母を乗せて、東海道新幹線を運転しました。

'13-4月入社、新入社員研修
内定者の段階から同期とは非常に仲が良く、一緒に旅行も楽しみました。そんな同期と寝食をともにした新入社員研修は、鉄道人としての私の基礎を築いてくれました。同期とは今も一緒に食事をすることがあり、私にとっての宝物です。
'13-6月車掌研修
東海道新幹線の車掌として、列車の運転取り扱い、車内における営業業務の習得に取り組みました。お客さまの命をお預かりするという責任の重さを、身をもって知りました。
'13-8月関西支社 大阪第一運輸所
東海道新幹線の車掌として乗務し、多くのお客さまを安全かつ快適に目的地までお運びすることに注力しました。また、所属する乗務員の接客レベル向上を目指し、モチベーションアップの施策に取り組みました。
'15-11月新幹線鉄道事業本部 品川駅
希望していた品川駅に配属され、出札、改札、内勤業務に従事しました。関西出身の私にとって初めての東京でしたから、地理がなかなか覚えられず苦労しました。お客さまに教えていただくことも多かったです。
'17-12月運転士研修
東海道新幹線の運転士になるための知識・技能を習得するため、運転士研修を受けました。国家資格ですから、膨大な量の勉強が必要でしたが、研修仲間とともに励まし合いながら乗り越えました。
'18-3月新幹線鉄道事業本部 東京第二運輸所
無事に新幹線運転士の免許を取得し、東海道新幹線に乗務しました。初めて自分の操作で列車が動いた瞬間は、この手で約1300人の命をお預かりしている重みに心が震えました。母を乗せて走ることができたのは良い思い出です。運転台から見た母はうれし涙を流しており、親孝行ができたと思いました。
'21-1月分べん休暇・育児休職
初めての出産に際し、約1年3ヵ月のお休みをいただきました。母親になっても社会と関わっていたいので、なるべく早く仕事に戻りたいと考えていました。
'22-5月新幹線鉄道事業本部 品川駅取材当時
品川駅に復職し、時短勤務制度を利用しながら、仕事と育児の両立を目指して働いています。お客さまからの「ありがとう」の言葉に、改めてJR東海の社員で良かったと実感しています。

これからめざすもの

今後もJR東海沿線の魅力発信、地域活性化に携わっていきたいです。また、将来はリニア中央新幹線に関わる業務にも挑戦したいです。

プライベート

  • 高尾山に登ってきました。
    品川駅の社員はみんな仲が良く、社内イベントも盛んです。こちらはみんなで高尾山に登ったときのもので、ママ社員が集まった記念写真です。美しい新緑を眺めながら、みんなで食べたお団子は最高でした。
藤枝 可奈美

Profile

藤枝 可奈美

プロフェッショナル職(大学卒)(運輸)
新幹線鉄道事業本部 品川駅 ※取材当時
2013年入社
マネジメント創造学部サスティナブルなまちづくり専攻卒