私の創造

「JR東海の顔」として一人でも多くのファンを増やしていきたい。

総合職(事務)
池田 朋史

仕事

広く社会に受け入れられる会社としてあり続けたい。

報道対応に感じる、社会的責任の重さ。

日本の大動脈輸送を担う東海道新幹線。その社会的影響力の大きさを痛感するのは、例えば自然災害時における報道対応です。私の所属する広報部東京広報室ではテレビ、新聞等のマス媒体をはじめとする各メディアへの列車運行情報の提供やプレスリリースの発信といった報道業務を担っており、例えば台風等の自然災害時にはいわゆる計画運休の実施に伴う事前の報道対応も行います。計画運休を検討中の段階から始まり、決定のお知らせ、具体的な運転計画のお知らせとこまめに情報を更新して公表することになり、発表した直後にはテレビのテロップやwebニュースでその情報がすぐさま速報として流れます。東海道新幹線に対する社会の視線や責任の大きさを実感する瞬間です。
また、広告宣伝業務も私たちの仕事で、そのひとつとして「いざいざ 奈良」をキャッチコピーにした奈良キャンペーンを担当しています。準備段階ではキャンペーンで取り上げる寺社等に何度も足を運び、コミュニケーションを図りながら内容をつくり込んでいきます。その際に特に気を配っているのは、歴史ある奈良という土地のイメージを大切にすることです。当社が制作したテレビコマーシャルなどは多くの人が目にすることになりますので、奈良の魅力をしっかりと引き出し、取り上げる寺社や地域の皆さまにも喜んでいただける内容とすることで、多くのお客さまはもちろんのこと地元の皆さまにも広く受け入れられるようなキャンペーンとしていくことができます。

 

メディアが多様化しても、「ファンを増やす」という本質は変わらない。

実は入社4年目にも広報を担当したことがあります。当時と現在で大きく変わったのはデジタルメディア、特にSNSの存在です。以前は私たちの発信する情報は基本的にマスメディア経由でしかお客さまにお届けできませんでした。例えば東海道新幹線の運行情報もNHKなどテレビのテロップでお伝えするのが最も速く、効率的でした。しかしSNSの登場によって、私たちはお客さま一人ひとりにダイレクトにリーチできるようにもなりました。加えて、マスメディアと違い、特定のファン層に向けてニッチな情報をお届けすることも可能です。
一方で当時から20年以上が過ぎても変わらない本質が2つあります。1つ目は、これだけSNS等が発達した世の中においても、やはり、人と人とが対面でコミュニケーションを取ることの価値は不変であるということです。良い仕事をするためには、まずは相手のことを良く知り、常に相手の立場で考えながら、自分の想いもしっかり伝え、丁寧に人間関係を築いていくことが不可欠です(これに関しては最近もある編集長さんから重みのあるアドバイスをいただきました)。そして2つ目は一人でも多くのファンをつくることが広報の役目であるということです。奈良キャンペーンで地元の皆さまと一緒に取り組んでいるのもそのためですし、特にリニア中央新幹線については正しい情報をはっきりと発信することで、海外メディアも含め、応援してくださる人を着実に増やしていきたいという思いがあります。マスコミの対応をしていると、どうしてもその対応自体が仕事に思えてくるものですが、そのこと自体は手段であって目的ではありません。
就職活動に際して私は、孫の世代からも「ありがとう」と言ってもらえるような社会インフラの構築に携わりたいと考えました。そこで選んだのがJR東海です。中央官庁とも迷いましたが、最終的な決め手となったのは、リニア中央新幹線という重要インフラに自身が事業者として携われるという点でした。以来さまざまな業務に携わる中で、絶対にリニア中央新幹線を実現させたいという気持ちが揺らぐことはありませんでした。いわば私のライフワークですね(笑)。現在は広報としてリニア中央新幹線の実現を応援してくださる人を増やすことに注力しています。もちろん今後どのような業務に就いても、この思いは貫いていきます。ライフワークですから。

 

キャリア

常に心の中には、リニア中央新幹線への思いがありました。

’97-4月入社、新入社員研修
学生から社会人、そしてJR東海社員へと移行する期間でした。同期とのつながりが強いのはJR東海の魅力の一つです。
‘97-6月現場研修(京都駅、大阪車掌所、大阪運転所)
駅員、新幹線車掌、新幹線運転士を経験。毎日どんなお客さまに会えるか、ワクワクして過ごしました。運転士の経験を通じ沿線環境、地上設備や車両の知識など、あらゆる分野の知識を吸収できました。
’98-9月静岡支社 管理部 人事課(教育)
現場の若手社員の教育担当を担いました。静岡支社管内の若手社員の大多数に会い、覚え、私もいろんなことを教わりました。このネットワークは今も宝物です。
’00-3月新入社員研修インストラクター
プロフェッショナル職のインストラクターを担当しました。生活指導も含めて文字通り朝から晩まで一緒に過ごしましたが、そんな“教え子”たちももう40代です。
’00-5月広報部 東京広報室(報道)
報道担当として、新聞・テレビの記者さんとコミュニケーションを重ねました。特にリニア実験線の試乗にお連れした記者の皆さんが、その当時から一様に完成度の高さに驚かれていたことはとても印象に残っています。
’03-7月営業本部(企画)
企画担当として施策のとりまとめやエアラインの動向分析などに取り組みました。営業本部内の意思決定を行う会議の進行役を務め、施策決定のダイナミズムを間近で実感することができました。
’07-6月海外留学
米国インディアナ大学のビジネススクールでMBAを取得しました。ひたすら自分の頭で考えることをたたき込まれ、人生観が変わりました。会社にしがみつかなくても自分の力で生きていけるという自信を得たのも、このときです。
’09-5月静岡支社 管理部 人事課(要員・社員管理・厚生)
最初に配属された職場に二度目の勤務となりました。要員・社員管理・厚生その他の幅広い業務を担当しました。かつての仲間と教え子たちにも支えられました。
’11-7月人事部 勤労課(企画)
企画担当として、会社関連の訴訟を担いました。裁判所に提出する準備書面を作成できるくらいのスキル(!?)を身につけました。
’14-7月総合企画本部 経営管理部(IR)
IRを担当しました。国内外の機関投資家とコンタクトを取り、特にリニア中央新幹線の計画について正しく認識していただけるよう、情報を発信しました。投資家の考えを社内にフィードバックする経営陣向けのレポートも発刊しました。
’16-8月関西支社 管理部 人事課(人事課長)
少子高齢化に伴う優秀な人材確保の難しさと将来のさらなる新幹線の増発をバランスさせるため、東海道新幹線の車掌の乗組み体制見直しを推進しました。全乗務員対象の勉強会では自ら壇上に立って、その必要性を訴えました。
’18-7月日本車輌製造(株)出向(経営企画部 次長)
当社に多くの車両を供給する重要なグループ企業に出向し、中期経営計画の策定などを担いました。当社とはまったく異なる社風、ビジネス環境、価値観をもつグループ会社での経験は、多くの学びにつながりました。もっと早く経験したかったくらいですね。
’22-7月広報部 東京広報室(室長)取材当時
およそ20年ぶりに広報の仕事を担当することに。一人でも多くのお客さまに応援していただけるよう、どんどん打って出ていきたいと思います。

これからめざすもの

入社以来、リニア中央新幹線に直接携わる部署で仕事したことはありませんでしたが、その実現への想いは変わることなく持ち続けてきました。これからも一日も早く完成させることに全力を尽くし、国民の皆さんに大きな価値を提供したいと思います。

プライベート

  • 愛するチームの応援に
    スポーツ観戦が大好きです。特に野球は中学時代から東京ヤクルトスワローズの大ファン。先日も息子と一緒に神宮球場へ応援に行きました。ここ数年は強いですが、昔は本当に弱くて、そこが愛すべき理由でもありました。
  • 歴史スポットを訪ね歩き
    昔から歴史が好きで、旧街道沿いの歴史スポットや城跡などを訪ね歩いています。写真は島根県の月山富田城跡。一人でフラッと訪ねて、往時に思いを馳せるひとときが好きです。1日に30kmくらいなら平気で歩きます。
池田 朋史

Profile

池田 朋史

総合職(事務)
広報部 東京広報室 ※取材当時
1997年入社
法学部卒