私の創造

鉄道技術の進化に必要なのは広い視野と本質を見極める目。

総合職(電気・システム)
野林 直哉

仕事

電気系統の大規模工事を中長期的視点で分析し、組織全体を統括。

組織の目標や予算を管理し、マネジメント能力を磨く。

専攻していた電気に関する知識を活かしながら、ジョブローテーションを通じて幅広い分野でマネジメントを行えると考え、当社の「総合職」を志望しました。どちらかといえば保守的なイメージが強いインフラ系企業のなかで、数十年先の将来を見据え、超電導リニアという最先端技術を取り入れて新たな高速鉄道を作ろうとするチャレンジングな姿勢や、就活生にフランクに接してくれる先輩社員たちの雰囲気も魅力でした。
私が在籍する建設工事部電気工事課は、新幹線・在来線の電気設備にかかわる大規模な工事を設計・施工監督する部署です。工事の一例としては、新幹線の安全走行を守る「ATC」の更新や、のぞみの運転本数を増やすための「電源設備」増強など、「安全・品質・低コスト」を追求しながら難易度の高いプロジェクトを推進しています。在籍する社員は、約300名。そのなかで私は、課全体を統括する企画係を担当しています。課の目標を設定し、年間を通じてトレースすることで組織力の強化に努めています。また、約10年先までの工事予算計画を集約し、中長期的な課題を分析するのも企画係の仕事です。組織全体の動向や現状を把握し、予算を含め多角的に判断・分析するスキルを求められるため、組織マネジメントの視点が養われています。

 

よりよく改新していくために、本質がどこにあるかを考え続けたい。

入社以来、さまざまな業務を経験しましたが、技術者として特に思い出深いのは、入社2年目のときに地上変圧器取替工事の設計・施工監督を担当し、無事故で工事を完遂させたことです。上司や先輩に手ほどきを受けながら進めた初めての工事なので、今も沿線からその設備を見ると、完成時の喜びがよみがえってきます。
入社4年目から2年間は広報部に在籍し、国交省記者クラブなどのマスコミ対応を担当しました。テクニカルな電気系統の話題を図解し、意義や効果をわかりやすく伝えられるよう工夫したうえで積極的に記者へPRしました。記事が掲載され、当社の仕事を世の中に広く知っていただくきっかけを作れたときは、大きなやりがいを感じました。
技術は日々進歩し、特に電気系統はパワーエレクトロニクスやITなど、進化のスピードが速いのが特徴です。鉄道の発展のために最新技術を導入していくことが不可欠である一方、現状の設備やルールには歴史に裏打ちされた教訓が凝縮されているため、新旧両側面から検証し、広い視野で“本質を見極めながら”進化させていくことが大切と考えています。

 

キャリア

電気設備関連の業務を軸に、広報や研修講師などを幅広く経験。

'11-4月入社、新入社員研修、現場研修
社会人生活のスタートに備え、JR東海の社員として必要な基礎知識を習得しました。三島にある研修センターで寝食をともにし、切磋琢磨した同期との絆は一生ものです。
'12-5月東海鉄道事業本部 工務部 電力課
在来線の電力部門を統括する部署で、業務の基礎を学び、人間関係を構築しました。多くの電力現業区に足を運び、在来線電力部門の大枠を捉えることができました。
'12-7月東海鉄道事業本部 大垣電力区
初めての現場配属。電気設備の保守と、設備更新のための設計業務に携わりました。線路を歩きながら電気設備に直接触れて学び、机上では学べない知識・技能を幅広く吸収できました。また、自身が保守・設計した設備がしっかり稼働し、列車が毎日走っているのを見ると、安全・安定輸送に貢献しているというやりがいを実感できました。
'13-7月東海鉄道事業本部 四日市電気区
2カ所目の現場配属。在来線の変電所に関わる工事に初めて携わり、大規模な設備更新においては事前計画と関係者間の綿密な連携が重要であることを学びました。直属の後輩ができたのもこの時期で、先輩として恥ずかしくないよう基礎から勉強し直したこともいい思い出です。大垣、四日市とも若手社員が多数在籍していたため、プライベートでの交流も多かったです。
'14-7月広報部 東京広報室
会社と社会をつなぐ窓口として、新聞やテレビなど、メディアへ対応し、当社の施策をPRしました。「東海道新幹線50周年出発式」には海外を含め多くのメディアが集まり、JR東海の影響力の大きさを改めて実感。取材などを通じて社内・社外問わず多くの人とかかわり、視野が広がっただけでなく、貴重な人脈を築くこともできました。
'16-7月建設工事部 電気工事課(企画)取材当時
大きな組織のなかで企画・計画・調整業務を担当し、組織をマネジメントする力が養われています。2017年からは管理者として業務管理と社員管理にも携わり、仕事の幅と視野が広がりました。
'18-3月~6月総合研修センター H30新入社員研修インストラクター(兼務)
新入社員研修でプロフェッショナル職のインストラクターを担当。2カ月間で学生から社会人へと目覚ましい成長を遂げる新入社員の姿やクラスごとの一体感の強さには目を見張るものがあり、人材育成にやりがいを覚えました。教え子が各職場で活躍する姿を見るのが今後の楽しみです。
'19-7月東海鉄道事業本部 岐阜電気区
5年ぶりの現場配属。管理者として、在来線電力設備の保守や工事に携わる上で、2~3年目に培った現場経験や人間関係が役立っています。鉄道の安全運行を最優先にしつつ、効率的な業務運営や仲間とのコミュニケーションを大切して、日々のマネジメントに取り組んでいます。
'21-7月東海鉄道事業本部 電気部 電力課(企画)
在来線電力部門のとりまとめ役として、組織の目標設定・各種施策の調整・教育などに幅広く従事しました。作業計画を効率化するシステム開発にも携わり、ユーザーのニーズをくみ取りつつ、メーカーと仕様を決定していくシステム設計は、今後のキャリアにも役立つ経験でした。
'22-7月総合技術本部 技術企画部(技術)
省庁や鉄道他社などの対外的な窓口として、技術基準の改正や各種施策の調整を行っています。会社施策である「業務改革」にも携わり、最新のICT技術などを活用して、「より安全で、より便利で、より快適な」鉄道を目指す創造的な業務にやりがいを感じます。

これからめざすもの

時代の流れに合わせて、適宜、設備や仕事の仕組みを変化させながら、安全性とサービスの向上に貢献していきたいです。将来は、中央新幹線の建設に携わってみたいです。「人」とかかわることが好きなので、人材育成や採用業務にも魅力を感じています。

プライベート

  • 同期とのスノーボードは毎年恒例です
    雪国である北陸・石川県出身ということもあり、昔からスノーボードが趣味です。毎年、同期と「スノーボード+温泉ツアー」を企画しており、今年で6年目。写真は、2018年に行った新潟県の妙高高原です。家庭を持つなど、各々環境の変化があるなかでも、この同期会は大切にしています。
  • 息子の成長を見守るのが何よりの楽しみ
    日に日にコミュニケーションが上手になり、笑ったり、泣いたり、怒ったり、一生懸命自己主張してくる様子がかわいくて仕方ありません。週末は家族で公園に出かけて一緒に遊びます。最近のお気に入りは、シャボン玉遊び。もう少し成長したら、一緒にスノーボードへ行きたいですね。
野林 直哉

Profile

野林 直哉

総合職(電気・システム)
建設工事部 電気工事課 ※取材当時
2011年入社
基礎工学研究科 システム創成専攻修了